OPEC+=ルーラ氏が加盟を明言=環境関係者「裏切られた」
【既報関連】ルーラ大統領が2日、石油輸出国機構(OPEC)の拡大組織「OPEC+」への加盟を支持する発言を行ったことで、国連の気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)で大統領が表明した気候変動対策擁護におけるブラジルの役割に影を落としたと4日付G1サイト(1)が報じた。
2日付G1サイト(2)によると、ルーラ氏は同日、「ブラジルはOPECにではなく、OPEC+に参加するのだ。OPEC+でのブラジルの役割は産油国に化石燃料の廃止を警告すること」と表現して、加盟を認めた。
だが、COP28に参加した政府派遣団の一部はこの発言で、ルーラ氏がこの会議で行った持続可能性への投資に対する要求は比重を失ったと評価。COPでのルーラ氏の演説は環境省の意向も配慮したものだったが、演説を行った時もアマゾン河口での探査採掘要請などに対する質問も出ていた。
探査採掘要請は環境省などが反対している一方、鉱山エネルギー省やペトロブラス、ルーラ氏までが擁護する姿勢を見せてきたため、国際社会はブラジルの姿勢を図りかね、COPでも質問が出ていた。
その上で出たのがOPEC+参加支持発言で、参加に関する判断は最低でCOP後、できれば来年にと願っていた環境省や財務省関係者の思いは裏切られた。
石油会社などは2日、温室効果ガス排出削減への合意を表明したが、鉱山エネルギー省とペトロブラスのメンバーは石油輸出国との交渉の場を共有することにもなり、ブラジルの姿勢に対する不透明感が残る会議となった。