ルーラ=ドイツで首脳会談=通商関係強化を模索

ルーラ大統領(労働者党・PT)は3日、8日間にわたる外遊の最終目的地であるドイツのベルリンに到着し、首脳会談に臨んだ。複数の閣僚が参加する両国間の会談は8年ぶりで、ルーラ大統領がG20の議長に就任して以来、初の加盟国訪問により、両国の戦略的パートナーシップ強化への期待がますます高まっているとして、3日付フォーリャなど(1)(2)(3)が報じている。
ルーラ大統領は到着したその日の内に同じ左派のオラフ・ショルツ首相と夕食を共にし、翌4日の二国間会議に先立つ会談を行った。ショルツ首相はルーラ氏が大統領に就任して最初にブラジルを訪れた外国の首脳で、2021年末に首相に就任して以来、自国と「グローバル・サウス」との関係改善に力を入れている。
ルーラ大統領は、エネルギー、産業、フェイクニュース対策、生態系保全の変革などの分野での協力強化を目指している。ブラジルは一連の訪問で、グローバルな舞台での存在感を高め、外交関係構築を加速させている。
ブラジルとドイツは、EUとメルコスル間の自由貿易協定(FTA)の進展を促進するために力を合わせている。この協定は、20年以上にわたる交渉の末、2019年に大筋合意に至ったが、環境に関するEUの要求により、ブラジルとアルゼンチンが新たな譲歩を求めて交渉が長引いている。両国は現在も協定の進展を推進し、ドイツ経済省は同合意を支持しているとの声明を出している。
ブラジル外務省によると、1千社以上のドイツ企業がブラジルで事業を展開しており、ブラジルとドイツの二国間貿易は2022年に190億ドル、23年1〜10月までの合計は159億ドルに達した。ブラジルにとっては世界で4番目の貿易相手国で、欧州ではトップだ。
しかし、ドイツの対ブラジル輸出は過去10年間で3%しか伸びていない。一方、米国と中国に対しては同期間に各々、38%と87%の輸出増を記録している。中国への依存を減少させる一環としての輸出志向が強いドイツは、ブラジルとの貿易を多様化し、重要な貿易パートナーとしたい考えだ。
ルーラ大統領は4日、ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領やマヌエラ・シュヴェーズィヒ連邦参議院議長と会談後、ショルツ首相と共に両国の閣僚が参加する第2回政府間ハイレベル協議を主導。経済、産業、エネルギーの分野での協力に焦点を当て、新たなビジネスの機会を模索した。