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有機産物の販売が増加=気候変動阻止にも不可欠

2023年12月14日

販売方法や陳列のあり方で存在や価値を知らせ、手頃な価格での提供を図る必要があるとされる有機産物(©Paulo Pinto/Agencia Brasil)
販売方法や陳列のあり方で存在や価値を知らせ、手頃な価格での提供を図る必要があるとされる有機産物(©Paulo Pinto/Agencia Brasil)

 リオ・グランデ・ド・スル連邦大学(UFRGS)とパラナ連邦工科大学(UTFPR)の科学者が行った調査によると、国内の有機栽培に関するデータ収集には欠陥があるが、農薬や化学肥料などの化学物質を使わず、自然の力を生かして生産される農産物や加工食品の販売は増えており、2020年の売上は58億レアルに達したと10日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
 この調査は、地理統計院(IBGE)と国家有機生産者登録簿(CNPO)、農業畜産供給省(Mapa)が実施した2017年の農業国勢調査のデータや、オーガニック推進協会(Organis)や零細・小企業支援サービス機関(Sebrae)による消費に関する調査の情報を利用して行われたもので、11月24日発行の科学雑誌「発展と環境」に掲載された。
 それによると、2017年の有機産物の販売額は2003年の4倍に増えていた。また、2020年の販売額はさらに30%増え、58億レアルが動く市場となった。
 Mapaのデータによると、輸入製品に関しては23カ国から953件のオーガニック認証が取得されている。これらは、アマランサスやキヌア、アプリコット、オリーブオイルなど、各々の国に特徴的な種に由来する食品だ。調査では、17~22年に、国内の有機生産者の登録数が75%増えたことも判明した。
 調査によると、有機農業を行っている土地は栽培地域の1・28%で、その内の30%は南東部にあるという。推定では、有機栽培は全国の農地の0・6%を占めると見られており、3万6689の施設では野菜生産が大半を占めている。また、1万7612の施設は畜産に特化しており、1万389の施設は有機動物の生産と有機野菜の生産を行っているという。
 研究者達は、このような状況を改善するには、消費者や生産者が一体となって社会参加の機会を増やし、様々な状況に適した公共政策を練り上げるための議論の場や、有機産物についてより広く知らせていく機会を増やす必要があると考えている。
 実際の活動では、よりローカルなスケールで考えるだけでなく、地域または国レベルで考える必要があり、アグロエコロジーと勇気生産に関する国レベルの政策と共に、州または自治体レベルの政策を持つことが重要となる。
 有機家族農業部門を運営するライーゼス・ド・カンポ社のカルラ・ギンダニ氏は、有機生産の基礎となる種子の生産技術の開発中心に、家族農部門に投資を行う必要を強調。家族農はアグロエコロジー生産を担う主力だからだ。バイオインプットや適切な機械、有機食品認証へのアクセスの重要性も強調している。
 同氏は、有機製品が手頃な価格で取引されるようになるために必要な物流や商業化のための留意点などに触れた後、森林伐採や単一栽培、農薬の集中的使用に支えられた農業は破壊行為として、消費習慣と環境との関係を変える必要性や緊急性を強調。家族農による、保存と再生に基づたアグロエコロジーこそが、気候変動を阻止するために残された唯一の方法とも述べている。


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