クッカ=スイスでの裁判は無効も=強姦疑惑から完全無罪ならず
スイスの裁判所は、元サッカー選手のクッカ氏が現役選手だった80年代に起こしたとされる少女への強姦嫌疑の裁判の判決を無効とする判断を示したが、無罪とはならなかった。この嫌疑は昨年再燃し、クッカ氏が監督就任をボイコットされる騒動の原因となっていた。4日付フォーリャ紙(1)、G1サイト(2)、テラサイト(3)などが報じている。
この件は、クッカ氏がグレミオの選手だった1987年に同僚選手たちと共に遠征先のスイスのベルンで未成年の少女に集団強姦を行ったという嫌疑に関するものだ。クッカ氏はこの件で有罪となっていたが、国外での裁判のため、長年応じていなかった。
だが、昨年4月、クッカ氏がコリンチャンスの監督就任を依頼された際、この件を理由に就任反対運動が起こった。結局、監督に就任したものの、ファンからの反対運動に屈して、数試合で辞任していた。
このため、クッカ氏は昨年11月に弁護士を通じて裁判のやり直しを要請したが、検察側が「既に時効で、再審は不可能」とし、判決の無効化と裁判の終了を求めたため、ベルン地裁がこの訴えに応えた。
だが、クッカ氏はこれで無罪となったわけではない。1989年の裁判で科された1万3千スイスフランの賠償金は9500スイスフランに減額となったものの、引き続き、賠償責任が残っている。
これらの決定は12月28日に下ったもので、1月3日に同氏の弁護士が明らかにした。控訴の可能性はないという。同氏と共に有罪とされた同僚たちも判決が無効化された。
クッカ氏は2013年にアトレチコ・ミネイロを南米一に導くなど、監督としての手腕が認められている指導者の一人だが、選手時代の傷が後をひいている。