外国人投資家らが撤退?=年末までの動きが逆転

21日付マネー・タイムスなど(1)(2)(3)が、1月は外国人投資家が資金を撤退させており、サンパウロ平均株価指数(イボヴェスパ)が3・5%以上下落と報じた。最新調査によると、外国人投資家は16日に16億7千万レアル、17日も6億レアルを引き出しており、1月の残高は5930万レアルのマイナスだった。
Quantzed社共同経営者のレアンドロ・ペトロカス氏は、外国人投資家達は11~12月に多額の投資を行ったが、1月は撤退の波が押し寄せているという。同氏は、現在の動きは11~12月の上昇後の利益確定を受けたものと強調している。
外国人投資家が撤退に転じたもう一つの理由は、米国で3月に金利が低下するという期待が裏切られたことだという。3月に米国金利が下がると見ている投資家は49%で、前回の55%や前週の77%より低下。先物金利引き下げで5月までに借入コスト削減と見ている人は80%以上いた。
一方、ニューヨーク市場は19日に記録的な高値で終わったのに、同日のイボヴェスパは12万7635・65ポイントで、0・25%増に止まった。22日付マネータイムスなど(3)(4)によると、22日も国外の動きがそこそこに楽観視され、欧州市場やニューヨーク市場の先物指数は19日の記録的な高値を受けて高めで推移しているのに、正午現在のイボヴェスパはゼロに近い動きを続けていたが、午後は下がり始めた。
22日付オ・ジア(5)は、19日の株式指数の動きに触れ、ブラジルでは2024年の基礎的財政収支の赤字ゼロ化が困難で、財政上の懸念が続いているとも指摘しており、連邦議会が17部門での税軽減策を延長した後、連邦政府が当該部門の税軽減を解消する暫定令(MP)を出して議会の反発を招いたことやMP差し戻しか撤回、修正の可能性があること、財務省の歳入見通しは期待値が大き過ぎるとの指摘が出たことなども市場の懸念を招いた可能性がある。
それでも、19日は昨年11月の中銀の経済活動指数(IBC‐Br)が0・01%上昇して3カ月間続いた下降傾向に終止符を打ち、22年11月比では2・19%の伸びと発表(20日付レデ・ブラジル・アトゥアルなど(6)(7)参照)されており、イボヴェスパの前日割れを防いだ可能性がある。
21日付フォーリャ紙(8)によると、経済の減速化を恐れる連邦政府が22日に工業界を刺激するための政策を発表。22日付G1サイトなど(9)(10)(11)によると、22日発表の経済動向予測調査「フォーカス」は、今年のインフレ予測を3・87%から3・86%に僅かながら引き下げ、国内総生産(GDP)の成長予測を1・59%から1・6%に僅かながら引き上げた。Selic(経済基本金利)も、現在の11・75%が年末は9%になると見られている。
他方、22日付マネー・タイムスなど(12)(13)(14)によると、22日の株式市場では、大連市場での鉄鉱石価格上昇で社長人事への政府の圧力などが懸念されるValeの株価が下がり、先週発表した投資計画が配当に影響すると懸念されているペトロブラスの株価が上下動を見せるなど、外国人投資家撤退の波を覆せるかは微妙な状況が続いている。