F1=Wフィッチパルディ死去=世界王者エメルソンの兄
ブラジルにおけるF1レーサーの草分け的存在の一人で、世界王者エメルソン氏の兄でもあったウィルソン・フィッチパルディ氏が23日、サンパウロ市で亡くなった。80歳だった。同日付メトロポレス(1)などが報じている。
ウィルソン氏は1943年、モータースポーツのジャーナリストだった同名の父の下でサンパウロ市で生まれた。父親が自動車耐久レースの主催者という恵まれた環境の中、ウィルソン氏は3歳違いの弟と共に早い時期から車に親しんだ。二人は共にF1レーサーを志し、実現させた。
エメルソン氏はロータス、マクラーレンと名門チームを渡り歩き、1972年、74年とF1世界王者となった。ウィルソン氏も1972、73、75年にF1に参戦したが、73年の世界15位が最高だった。
最初の2年はイギリスのブラバムに所属し、75年はF1史上、現在までブラジルからは彼だけが参加したチーム、コッペルスーカルに所属。現役時代は「ウィルシーニョ」の愛称で親しまれた。
ウィルソン氏はF1以外でもインディやストックカーのレースでも活躍。引退と現役復帰を繰り返し、 90年代前半までレーサーを務めた。1975~82年は「フィッチパルディ」と呼ばれるチームを運営し、エメルソン氏をはじめとするレーサーを支えた。また、息子のクリスチアン氏も1992〜94年にF1レースに参加している。
ウィルソン氏は昨年12月に心臓発作で倒れ、サンパウロ市南部のプリヴェント・セニオル病院に入院していた。
彼の死後、2000年代に活躍したF1レーサーのフェリペ・マッサらが追悼声明を出している。