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ブタ腎臓移植手術はブラジル人医師主導=臓器不足解消に世界的朗報

2024年3月27日

レオナルド・リエラ医師(22日付G1サイトの記事一部)
レオナルド・リエラ医師(22日付G1サイトの記事一部)

 米国マサチューセッツ総合病院(MGH)で遺伝子組み換えブタの腎臓移植が人間に成功して話題になっているが、その手術を主導したのがブラジル人医師であると22日付G1サイト(1)が報じた。初の異種移植(ブタから人への臓器や組織の移植)の成功は、世界的な臓器不足の解決策に一歩近づけるものと期待が広がっている。
 16日に行われた手術は、ハーバード大学医学部の医学・外科学准教授のブラジル人医師、レオナルド・リエラ氏が指揮を執った。「臓器提供を待つ患者に対してより迅速に臓器を提供するための重要な進展を示す」と病院側は声明で述べた。
 3時間に及ぶ手術後、患者は順調に回復し間もなく退院する予定だ。リエラ医師が行った前例のない手術は医学界にとって画期的なことで、腎臓移植を待っている多数の患者に希望をもたらした。ブラジル保健省によると、20日の時点で臓器提供待ちのリストには4万2千人が登録されており、そのうち3万9千が腎臓を待っている。
 パラナ州クリチバ市出身のリエラ氏は、2003年にパラナ連邦大学(UFPR)を卒業後に渡米し、ハーバード大学で内科と腎臓内科の研修医を務め、04〜11年までブリガム・アンド・ウィメンズ病院とMGHの2大病院の合同プログラムに参加した。サンパウロ州連邦大学(Unifesp)で移植免疫学の博士号を取得。現在、ハーバード大学医学部最大の教育病院MGHの准教授兼腎臓移植部長で、同院移植科学センター上級研究員でもある。
 この異種移植の成功は21日に公表され、その発表の席上で、リエラ氏は「毎週、透析中に移植が不可能な病気になった患者を待機リストから外さなければならない。腎臓が適切に提供されれば、何千人もの患者が透析よりも優れた治療を受けられる」と涙を流してチームの成功を喜んだ。
 移植を受けた患者リチャード・スレイマン氏(62歳)は順調に回復し、今のところ合併症は出ていないため、間もなく退院できると病院は発表した。同氏は7年間の透析の後、2018年に同病院で人体腎移植を受けたが臓器は5年で問題を起こし、透析治療を再開していた。
 この腎臓は、同州ケンブリッジにあるバイオ企業のイージェネシス社から供給されたもので、人体にとって有害な遺伝子を除去し、適合性を向上させるために特定のヒト遺伝子を追加する遺伝子組み換えが行なわれたブタから採取された。ヒトに感染する可能性のあるブタ内因性レトロウイルスを不活性化した。
 同社が作成したブタの腎臓を同様の方法で改良してサルに移植したところ、平均176日間、1例では2年以上生存させることに成功したと、昨年10月に週刊科学ジャーナル「ネイチャー」に報告された。


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