ペトロブラス=経営審議会も分裂状態に=政府による政治介入巡り

【既報関連】連邦政府の政治介入や総裁人事が疑問視される中、ペトロブラス経営審議会も分裂状態にあると7日付G1サイト(1)が報じた。
3月14日付Valorサイト(2)によると、ペトロブラスは25日に経営審議会のメンバー刷新や利益配分などを審議する定例総会を開くが、総会直前のこの時期に経営審議会が分裂状態に陥った。また、8日付オ・グローボサイト(3)によると、サンパウロ州連邦裁判所が政府側審議会メンバーで元閣僚のセルジオ・レゼンデ氏の任務差し止めも起きるなど、混乱が広がっている。
経営審議会は最大株主の国側6人、少数株主4人、同社従業員代表1人の11人からなる。2月13日付ポデール360など(4)(5)によると、国は2月13日に、ピエトロ・メンデス議長やジャン・ポール・プラテス総裁らの現職メンバー6人を含む8人の候補を指名した。他方、少数株主達は複数議決権導入を求めており、国側メンバーは最大2人減る可能性がある。
各候補は同社の任命方針や法的要件を満たしているかを検証するためのバックグラウンドチェック(BCI)を受ける必要があり、その結果は適格性委員会に提出される。同委員会の評価は勧告扱いで、総会で承認する必要はない。投票は複数投票で、単一候補に投票が集中したり、複数候補に票が分散したりする。
もう一つの重要テーマは配当金で、普通配当142億レの分配と、将来の配当及ぶ株式利息の分配用の資本報酬準備金430億レの留保その他について分析する。配当金の分配問題は、同社の市場価値下落と、政府、投資家、ペトロブラスの間の危機並びに総裁の進退問題を引き起こした。
配当金が引き起こした危機は、政府側並びにその意向を汲むメンバーが普通配当だけを払い、特別配当は払わないと決めたことが原因だ。プラテス総裁は特別配当の半分を払うよう主張した上、政府の意向が優勢となった時点で棄権して政府の反感を買った。他方、市場や投資家は特別配当の支払い停止に反発し、3月に同社の市場価値の大幅下落を招いた。
8日付エスタード紙(6)にもあるように、同件は総裁解任への動きを加速化する一方、経営審議会分裂も招いた。7日付G1サイト(1)によると、少数株主側メンバーのマルセロ・ガスパリノ氏がメディアの取材で政治的な決定と政府の介入を批判したのを受け、ピエトロ議長が書状を送り、どの審議が政治的利益のために同社に損害を与える意図をもって行われたのかの指摘を含む説明と証拠提出を求めたのだ。
ガスパリノ氏はこれを受け、証券取引委員会に議長の行為の合法性の調査を要請。ピエトロ議長は政府側メンバーが同社の利益を守るためではなく、政治的決定を下したという証拠のない告白について調査するよう、同社法定監査委員会に要請した。
プラテス総裁はアレッシャンドレ・シルヴェイラ鉱山動力相からの批判後、大統領に対話を申し入れたが、受け入れられなかった。8日付インフォ・マネーなど(7)(8)(9)(10)によると、ルーラ氏は7日夜、鉱山動力相、ルイ・コスタ官房長官、ハダジ財相との緊急会合を開こうとしたが、情報が洩れて中止。その代わり、ハダジ財相との会合を8日18時に開き、同件について協議することを決めた。