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デング熱死者史上最多に=13週間で前年総数超える

2024年4月10日

デング熱による死者数の年毎の推移(8日付G1サイトの記事の一部)
デング熱による死者数の年毎の推移(8日付G1サイトの記事の一部)

 【既報関連】8日午後更新された保健省公式サイトによると、デング熱による死者が昨年の年間死者数を超える1116人となり、年間の死者最多記録を更新したと8日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
 デング熱の死者が最多記録を更新するのは3年連続だが、22年は年間1053人、23年は年間1094人だったのに対し、今年は感染学上の第13週(3月31日~4月6日)までで昨年の年間総数を超えた上、死因確認中の死者も1807人おり、実際の死者はもっと多い可能性がある。昨年同期の死者は388人だった。
 今年は感染のピークが平年より早く、週毎の疑似症患者数も圧倒的に多いという前例破りの年だ。このことは、昨年のピーク時(感染学上の第15週、4月9~15日)に記録した11万722人の3倍近い34万4815人を感染学上の第10週(3月3~9日)に記録したことでも明らかだ。
 6日現在の疑似症患者数は2996万3994人(昨年同期は58万9294人)で、感染が確認された患者も52・21%にあたる154万7481人に達した。また、人口10万人あたりの感染者数(感染率)は1459・7人、感染者に占める死者の割合(死亡率)は3・94%となった。
 デング熱が流行状態であることは保健省も早い時期に認識しており、2月には今年の感染者は420万人に上る可能性ありと示唆した(2月9日付G1サイト(3)参照)。また、流行状態に陥り、非常事態を宣言した連邦自治体も、アクレ、エスピリトサント、ゴイアス、ミナス、リオ、サンパウロ、サンタカタリーナ、アマパー、パラナ、リオ・グランデ・ド・スルの各州と連邦直轄区の11に及んだが、現在は27の連邦自治体中、八つが減少傾向、12が安定傾向とされている。
 なお、デング熱にかかった人は免疫ができるが、デング熱のウイルスは4種類あり、1人で4回まで感染する可能性がある。ただし、1型は全国で、2型は24州と連邦直轄区で確認されているが、4種のウイルスが全て確認されているのはミナス州のみだ。なお、5日付アジェンシア・ブラジル(4)によれば、リオ州では5日、07年以降見られていなかった3型による感染例2件を確認と報告された。
 なお、9日付アジェンシア・ブラジル(5)によると、欧州の観測計画テラ・コペルニクスが9日に、3月は当該月としての史上最高気温を記録と発表。月間平均気温が史上最高を記録するのは10カ月連続で、地球温暖化とエル・ニーニョ現象が蚊の発生増やデング熱の流行を促進した可能性もある。
 4日付アジェンシア・ブラジル(6)にもあるように、最近は、追加のワクチン接種実施効果もあってか、新型コロナ感染症の新規患者が減る一方、インフルエンザを含む風邪の患者が増えており、デング熱と風邪と思われる患者が押し寄せ、診察を受けるまで4~5時間を要する医療機関が増えている。デング熱の予防接種はワクチン数が限られ、対象を絞らざるを得ないが、8日付アジェンシア・ブラジル(7)によると、保健省は技術移転や国内開発も含めた来年以降の接種拡大策を検討中だ。


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