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リラ下院議長=「無能な嫌われ者」と批判=政府の政局調整担当閣僚に=ルーラ氏は称賛動画で援護

2024年4月13日

リラ議長(Lula Marques/Agencia Brasil)
リラ議長(Lula Marques/Agencia Brasil)

 アルトゥール・リラ下院議長(進歩党・PP)は11日、政府側に立って連邦議会とのアルチクラソン(政局調整)を担当するアレッシャンドレ・パジーリャ渉外室長官(労働者党・PT)を「無能」と呼び、物議を醸した。その背後には、10日に行われたシキーニョ・ブラゾン下議の拘禁延長投票があった。同日付G1サイト(1)などが報じている。
 リラ議長の発言は、パラナ州ロンドリーナで開催中の農産物見本市で行われた記者会見で飛び出した。
 リラ氏は取材陣から、「シキーニョ・ブラゾン氏の拘禁延長の結果が出たことで、自分の下院での影響力が落ちたと思うか」との質問を受けた。
 同議長はそれに対して、「そのニュースは政府からリークされたもので、嫌われているだけでなく、無能でもあるパディーリャ氏からのものだ」と政局調整担当閣僚を名指しで批判した。
 リラ議長はさらに続けて、「私は投票前にはっきりと明言した。ブラゾン氏の問題は党派には関係なく、あくまでも個人の判断による問題であると。だから、各票の責任は各々の議員にあり、私の影響力とは何の関係もない」とした。
 また、「連邦政府の、それも三権の調和を取り持たなければならない立場の人が、そのような嘘の情報を流して連邦議会に迷惑がかかるようなことをするのは嘆かわしいことだ」との言葉でパジーリャ氏を批判した。
 リラ議長は、2018年3月に起きたマリエレ・フランコ元リオ市議殺害事件の容疑者として逮捕されたシキーニョ氏の処遇に関して、中立であることを主張している。だが、連邦政府関係者の中にはそのように見ていない人がいる。
 その背景には、リラ議長の後任問題の存在がある。来年2月に行われる下院議長選で、リラ氏はエルマール・ナシメント下議(ウニオン)を推している。そのエルマール氏は、今回のシキーニョ氏の処遇に関する投票で、同氏を釈放することを求めていた。
 エスタード紙(2)の報道によると、リラ議長は今回の投票に関し、中道勢力セントロン系の政党に、「党の意向ではなく中立に」と伝えていたが、パジーリャ氏が、「連邦政府の意向」ということでセントロン系の政党のリーダーを直前に説得していたという。
 10日の投票では、先に行われた憲法司法委員会(CCJ)の投票でPPや社会民主党(PSD)の委員が全員、拘禁延長に票を投じた。全体投票でも、共和者(RP)を除けば、セントロン政党は大半が拘禁延長に投票しており、結果、過半数を20人上回る形で拘禁延長が決定した。
 リラ議長の発言を受け、ロドリゴ・パシェコ上院議長(PSD)は、「人間は完璧ではないが、このように悪くもできない」としてリラ議長を批判した。
 パシェコ議長は「我々はそれぞれに違いがある中で共存している。私は連邦議会と連邦政府、とりわけパジーリャ氏との関係が可能な限り良いものになることを望んでいる」と語り、パジーリャ氏を擁護した。
 他方、バジーリャ氏(3)(4)は11日、ルーラ大統領が政府の政局調整官としての役割を称賛した動画をSNSに公開。12日も、「能力については、昨日のルーラ大統領の言葉を返答の代わりとする。それ以外のことでは落ち込むつもりはない。私はルーラ大統領から礼儀正しい政治をすることを学んだ。リラ議長に対する恨みはないし、連邦政府と連邦議会は経済政策や政治的再開において成功したコンビを形成した」と語り、この関係を続けたいと述べている。


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