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デング熱ワクチン=使用期限切れの可能性=記録的な流行の最中に

2024年4月18日

上院社会委員会でのニジア保健相(©Lula Marques/Agencia Brasil)
上院社会委員会でのニジア保健相(©Lula Marques/Agencia Brasil)

 【既報関連】デング熱の疑似症患者数のピークが前倒しされた上、その数が昨年のピーク時の約3倍、死者数は既に史上最多だった昨年の年間総数を超えるなど、記録的な流行状態に陥った中でも予防接種実施率が伸びず、ワクチンが使用期限切れとなる可能性が出ている。これに関し、ニジア・トリンダーデ保健相がワクチンを再分配したが、否定主義がなければ接種はより順当に行われていたはずだと語ったと16日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
 保健省は州や市と協議し、10~14歳児への予防接種用ワクチンを520市に分配したが、接種実施率が期待通り伸びず、4月末で使用期限が切れるワクチンを要請が出ていたが最初の分配予定に入らなかった154市に再分配した。
 これが保健相が言うBプランだが、同相はこの日、「保健省は連邦自治体や地方自治体も参加した予防接種プログラム諮問委員会が定めた技術的基準に沿い、ワクチンを分配する地方自治体リストを作った。これは保健相個人の決定ではなく、全国評議会を通じ、連邦自治体や地方自治体と協力して決めたこと」「保健省は再分配を行ったが、ワクチン接種に対する否定主義がなければ間違いなく、家族は子供達にワクチン接種を受けさせていただろう」とした。これは、使用期限切れワクチンが出るのを避けるための対策に関する上院社会委員会での問いに対する回答だ。
 23年12月22日付G1サイトなど(2)(3)によると、ブラジルでは昨年、大量の新型コロナ感染症用ワクチンが期限切れとなって廃棄された。だが、15日付G1サイト(4)が報じるように、現在はワクチンの在庫が尽き、接種キャンペーンにも支障が出始めている。保健省は昨年の廃棄処分は前政権からの引継ぎ時の問題で生じたと説明したが、今回は記録的な流行対策で緊急輸入したワクチンが期限切れとなろうとしており、管理能力などを問う声が出ている。
 だが、前政権での新型コロナ感染症用ワクチンに対する否定的な発言後、全ての予防接種の実施率が落ちているのは事実で、予防接種を受けてなかった幼児が百日咳を発症といった報道(15日付G1サイト(5)参照)も出ている。
 デング熱に限定してみると、11日付アジェンシア・ブラジル(6)が、ブラジルのデング熱感染者はラ米・カリブ海地域の約70%を占めており、絶対数ではダントツ1位、感染率でもパラグアイに次ぐ2位と報道。疑似症患者の数はペースこそ落ちたが増え続け、13日締め、17日更新の保健省公式サイト(7)では331万484人。確認済の感染者は182万925人、死者は1457人、死因確認中の死者は1929人だ。
 16日付G1サイト(8)は、現在の流行と基礎衛生施設への投資の遅れとの関係も説いている。だが、11日付アジェンシア・ブラジル(9)は、汎米保健機関が同日、6日までの疑似症患者310万人は昨年総計の160万人の2倍近いが、疑似症患者数に対する死者の割合は昨年の0・07%を下回る0・04%であることに注目したと報道。同機関では、基礎的衛生施設の不備が感染拡大を助長することを認める一方で、死者の比率減は予防接種導入や患者への支援といった保健省の対策の結果との見方も示した。


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