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ベネズエラ=選挙妨害で米国が制裁再開=ブラジルとコロンビアは反対声明

2024年4月19日

ニコラス・マドゥロ大統領(Marcelo Camargo/Agência Brasil)
ニコラス・マドゥロ大統領(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 7月28日に投票が予定されているベネズエラ大統領選挙に関し、ニコラス・マドゥロ大統領が野党候補の出馬を阻止したことを受け、米国政府は17日、ベネズエラの石油とガスに対する制裁を再開したと、同日付メトロポレス紙サイト(1)が報じた。
 禁輸措置は2023年10月から今月18日までの6カ月間、一時的に解除されていたが、民主的な選挙実現のために結ばれたバルバドス協定が反故にされ、透明で公正な選挙実施という条件を破ったため、米国は緩和措置を延長しないことを決定した。
 ニューヨーク・タイムズ紙の取材に応えた米国の高官は、「マドゥロ氏とその関係者らは合意の精神にも文面にも従っていない。技術的な理由による候補者や政党の失格、野党や市民社会の人物に対する継続的な嫌がらせや弾圧が見られる」と指摘した。
 同高官はまた、「世界のエネルギー部門に不確実性を与えない」ため、米国が「石油・ガス部門の業務に関連する取引について45日間の猶予期間」を設けることを強調した。外国資産管理局(OFAC)は5月31日までの保留中の取引の決済は許可するが、合意の破棄により、ベネズエラと取引しようとする企業は、綿密な審査を経て得られる「特定のライセンス」を通じて、米国からの認可を受けなければならなくなる。
 ベネズエラのペドロ・テレチェア石油相は、米国の制裁が復活してもベネズエラの産業は「止まらない」とし、「なぜなら、我々は生産、販売、資源の採掘を止めたことは一度もないからだ。許可があろうがなかろうが、止めるつもりはない」と述べた。
 同相はまた、禁輸措置の影響を受けるのは米国だけではないことを強調した。「誰に影響を与えるのか? 米国は今後もベネズエラからの原油を入手し続けられるだろうが、欧州やインドはその可能性がなくなり、アジア諸国も困難に直面するだろう。ベネズエラに対する制裁措置を認めない。我々はほとんど全ての多国籍企業から多くの投資家を受け入れてきた。それは彼らが今後もベネズエラに来続けることを意味する」と主張した。
 一方、コロンビアを公式訪問中のルーラ大統領は17日、同国のグスタボ・ペトロ大統領と会談し、ベネズエラの選挙についても議論を交わしたと、17日付CNNブラジルなど(2)(3)が報じた。
 共同声明によれば、両大統領はバルバドス協定の精神に基づき、ベネズエラ大統領選の選挙保証を提供するために政府と他の政治的部門との継続的な対話の重要性を指摘。また、同国民の苦しみを増大させるだけのいかなる制裁も拒否すると繰り返した。
 ペトロ大統領は報道陣に対し、二国間会談中、ベネズエラの次期選挙で敗北した人々の権利を保護し、同国内の和平を保証することを目的とした国民投票の可能性についても話し合ったとし、同提案をマドゥロ大統領とその反対派に提示したことも明かした。
 両大統領は共通の懸念と対話への意欲を共有している。ブラジル政府は、野党候補の大統領候補登録を阻止することは、選挙保障を確立したバルバドス合意に違反すると主張する一方で、マドゥロ政権の孤立化がベネズエラの状況改善には貢献しないとの立場を維持している。


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