マルコ・テンポラル=最終決定まで現法令有効=メンデス判事が調停決定

【既報関連】最高裁のジルマル・メンデス判事が22日、1988年の憲法発効時に先住民族が居住していたまたは係争中だった土地だけを先住民の居住地と認めるという時間的枠組みを定めたマルコ・テンポラル法に関する全ての訴訟の調停プロセス導入を決めたと同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)が報じた。
メンデス判事は同法の有効性維持のために自由党(PL)や進歩党(PP)、共和者が起こした訴訟と、先住民族を代表する団体や与党が提出した同法の合憲性に異議を唱える訴訟の報告官だ。同法に関する訴訟は一時的に差し止められ、関係当事者(総弁護庁、連邦検察庁、上下両院議長)には30日以内の調停案提出が求められた。

最高裁は昨年9月に時間的枠組みに反対する判決を下しており、ルーラ大統領も同法の裁可を全面拒否したが、連邦議会は昨年12月に拒否権を覆して同法を有効化した。
メンデス判事はこのような動きを受け、「従来の方法で生じるいかなる対応も、根底にある政治的、法的紛争に終止符を打てない。コミュニケーションと理解における困難を克服し、法律14701/2023号によって生じる制度的及び法的な行き詰まりを解決するための協力的で建設的な前提に基づいた議論を通じて解決策を構築するための調停が必要」と強調。調停システムによる結論が出るまでは同法は有効とみなされる。
23日付アグロ・エスタダン(3)によると、ブラジル農業畜産連盟(CNA)のルディ・フェラス氏は、この決定は農業にとっての大きな勝利で平和的な解決への機会とし、「先住民族の土地の境界設定のための全ての行政手続きの合憲性を維持するもの」で「国立先住民族保護財団(Funai)が最高裁の決定前に先住民居住地を制定したいならマルコ・テンポラル法を適用する必要がある」と述べた。農牧畜系議員前線(FPA)議長のペドロ・ルピオン下議も、「最高裁に対話への重要な扉を開き、農業生産者全員の財産権を保証する決定的な解決策を模索することを願う」と述べている。
他方、23日付アジェンシア・ブラジル(4)によると、先住民族はこの決定後、「メンデス判事は恣意的判断を行い、ブラジル先住民族連合(Apib)が昨年12月に申し立てた意見直接訴訟(ADI7582)を部分的に拒否した」と批判。先住民族や与党側は、Apibと自由社会党(PSOL)、持続性ネットワーク(Rede)のADI7582、労働者党(PT)やブラジル共産党(PCdoB)、緑の党の同7583、民主労働党(PDT)の同7586など、4件の訴訟で同法の違憲性宣言を求めている。
23日付アジェンシア・ブラジル(5)によると、22日に始まった先住民族最大の居住地擁護運動の「自由な土地キャンプ」参加者は23日、マルコ・テンポラル法は先住民族の権利や関心に関する民政復帰後最大の障壁で、流血の事態も招いているとし、同法撤回などを求める25項目の「要求と緊急性」という文書を公表。三権の代表達に届ける意向も表明した。