ブラジル南部に509mビル建設へ=世界一の超高層集合住宅

ブラジル南部サンタカタリーナ州の建設会社FGエンプリエンジメントス社が、同州沿岸部のバルネアリオ・カンボリウ市に高さ約509mの超高層集合住宅ビルの建設を計画している。「トリウンフ・タワー(Triumph Tower)」と名づけられたこのビルの建設が実現すれば、ニューヨークにある高さ472mの「セントラル・パーク・タワー」を抜き、世界で最も高い住宅ビルになるという。18日付エスタード紙など(1)(2)が報じている。
同タワーは、ブラジル人実業家ルシアノ・ハンギ氏が所有する、海岸沿いの一等地に建設予定だが、工事やプロジェクト、建設会社の決定に同氏は直接の関係はないという。
FGエンプリエンジメントス社によると、この住宅用ビルは今年下半期に販売開始予定だが、具体的な日程は未定だという。同社はこの建設プロジェクトについての詳細を明かしていない。
バルネアリオ・カンボリウ市役所に提出された近隣家屋調査によると、この超高層ビルは、市中心部リゾート地区のアトランチカ大通り4466番地に位置する5916平米の敷地内に建設される予定で、現在ブラジルで最も高い住宅ビル、ワン・タワーからはわずか約500mの距離だ。高さ290メートルのワン・タワーもルシアノ・ハンギ氏の所有地に建設され、2022年12月に完成したばかり。同アトランチカ大通り684番地には、高さ241mの住宅ビル、ボレアル・タワーもある。
同文書には、トリウンフ・タワーは140階建て、総述べ床面積は13万4036・21平方メートルと記載されている。建物内には233戸の居住用アパート、飲食店やイベント用の商業施設、842台収容可能の居住者専用駐車場(6フロア)、さらに地下には126台収容可能の訪問者向け駐車場が設けられる予定。8階にはゴーカート場を含む四つのレジャー施設が設置される。
調査によれば、この建設プロジェクトには3億2300万レアル以上の投資が必要とされ、約300人の労働者が雇用され、工事完了までに7年半かかる見込みだという。
近隣家屋調査はエンジニア、弁護士、建築家などさまざまな専門家によって作成される文書で、大規模なプロジェクトの承認プロセスにおいて極めて重要とされる。同文書は、適切な機関によって評価され、分析された後に、自治体の技術者などの審査機関によってプロジェクトの承認が行われ、建設開始に必要な条件を決定する。同市役所によれば、同プロジェクトはまだ都市計画・予算管理局によって分析中だ。
高層ビル・都市居住協議会によると、現在、世界で最も高い住宅ビル10棟のうち、6棟がアラブ首長国連邦、3棟が米国、1棟がロシアにある。ブラジル国内で最も高い住宅10棟のうち8棟がバルネアリオ・カンボリウ市に建設された。