ロンドニア州=森林伐採せずカフェ栽培=持続可能なロブスタ種を生産

ブラジル農牧調査研究公社(Embrapa)が地質工学や衛星画像の支援を受けて行った研究により、ロンドニア州のマッタス・デ・ロンドニアと呼ばれる地域15市中7市でのカフェ(コーヒー)栽培は森林伐採を伴わないものであることが判明したと23日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
衛星画像などを利用した研究は2020~23年に行われたもので、同地域での森林伐採面積はカフェの栽培地の1%にも及ばなかったという。換言すれば、同地域の自治体の半数以上は森林伐採を行っておらず、220万ヘクタールの原生林が保たれていたことになる。
Embrapaは先住民保護区の存在の重要性も強調しており、合計120万ヘクタールに及ぶ原始原生林(人の手が一切入らず、自然のままの樹木が成長している森)を保存しているのは先住民族だと明言している。
Embrapaによると、農村環境登録簿(CAR)に申告された同地域の農村地所3万7千軒の内、カフェの栽培に専念している農家は9千軒未満で、その95%は小規模な家族農だという。
ロンドニア産のカフェは2021年6月に持続可能なロブスタ(カネフォラ)種コーヒーとして原産地呼称(DO)付地理的表示を獲得。地理的表示獲得のための研究は2018年に始まり、厳選されたコニロン種コーヒーとロブスタ種コーヒーを交配してできたコーヒーは「アマゾン・ロブスタ(Robusta Amazônico)」と呼ばれている。
国立工業所有権研究所(IPI)はメリット審査の結果、このコーヒーの官能特性は、スイート、チョコレート、ウッディ、フルーティ、スパイス、根、ハーブとし、カネフォラ種コーヒーの特徴を備えた新感覚のコーヒーと評価している。