「奴隷貿易の賠償責任負う」=ポ大統領が大航海時代言及

ポルトガルのマルセロ・レベロ・デ・ソウザ大統領は、植民地時代におけるアフリカでの人身売買、ブラジルでの奴隷制と先住民虐殺、略奪品など一連の犯罪について、「全責任を負う」と初めて発言し、これらの補償を考える必要があると述べた。24日付G1サイト(1)が報じた。
これは23日夜明らかにしたもの。ポルトガル政府が先住民の虐殺、数百万人のアフリカ人の奴隷化、略奪品など同国が「引き起こした損害に全責任を負う」と断言した。
ポルトガルは15世紀半ばから17世紀半ばまでの大航海時代に、最も多くのアフリカ人を人身売買した国だ。その数は約600万人で、当時欧州諸国によって奴隷にされた総人口のほぼ半分にあたる。
しかし今日に至るまでポルトガル当局はこの犯罪史についてほぼ語らず、学校教育でも奴隷貿易における同国の役割についてはほとんど触れていない。
それどころか植民地時代は同国の輝かしい歴史であり、アンゴラ、モザンビーク、ブラジル、カーボ・ベルデ、東ティモール、およびインドの一部などポルトガル支配下にあった国々は誇りの源と見なされている。
4世紀以上にわたり、少なくとも1250万人のアフリカ人が拉致され、主に欧州の商人によって船で長距離を強制的に運ばれ、奴隷として売られた。苛酷な航海を生き延びた者たちは、ブラジルやカリブ海などのプランテーション農園で非人間的な条件下で無給労働させられ、農園所有者に巨額の利益をもたらした。
ソウザ大統領は今回、「(奴隷制の)代償を払わなければならない。処罰されず、責任者が逮捕されていない行為があるだろうか? 略奪され、返還されていない資産があるのか? どう償うか考えようではないか」と述べた。ただし、どう補償するか明言しなかった。
同国大統領が罪を認めたのはこれが初めて。2023年4月、同大統領は「ポルトガルは大西洋横断奴隷貿易と植民地主義について謝罪すべきだ」と述べたが公の謝罪はしなかった。
このソウザ大統領の発言を受け、ブラジルのアニエレ・フランコ人種平等相は24日、ポルトガル政府に連絡を取り、賠償に対して今後の「具体的な行動」を求めたと同日付ドイチェ・ヴェレ・ニュース(2)が報じた。
アニエレ氏は「これは本当に重要で力強い声明だ。我々は初めて国際的なレベルでこの議論をしているのだ」と述べ、この宣言は「何世紀にもわたる黒人たちの要求の結実」であると付け加えた。
同大臣は「我々のチームはすでにポルトガル当局と連絡を取り合っており、これらの行動についてどのように考え、ここからどのようなステップを踏んでいくかを話し合っている」と明かした。
奴隷制度に対する賠償金支払いやその他の補償を講じるという考えは、この問題に関する特別法廷を設置しようとする動きも含め世界中で支持を集めている。
国連も、アフリカ系の人々が受けた被害に対処する具体的な手段を提供する報告書を発表。同文書は、経済的な損害の評価が「経過した時間や加害者・被害者の特定が極めて困難」と認識している一方、「そのような困難は、根本的な法的義務の存在を無効にする根拠にはなり得ない」と強調している。