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サンパウロ市議会が州水道公社民営化を承認=ヌーネス市長も即時裁可=市民の強い反対振り切り

2024年5月4日

市議会で反対運動をする人たち(Paulo Pinto/Agencia
市議会で反対運動をする人たち(Paulo Pinto/Agencia

 サンパウロ市市議会は2日、サンパウロ州水道公社(Sabesp)の民営化についての投票を行い、賛成多数で承認した。今回は2回目の承認で、1時間後にはリカルド・ヌーネス市長(民主運動・MDB)が裁可。号外版の官報にも掲載された。同日付UOLサイト()が報じている。
 Sabespの民営化は、4月17日に1回目の投票が行われ、36対18で承認されたが、その後にサンパウロ州地裁が「4月29日までに行われる、民営化の与える影響を具体的に説明する全7回の公聴会終了まで、投票を差し止める」という司法判断を出すなど、混乱していた。
 だが、民営化を巡る波乱要素はそれだけではない。それはこの民営化がサンパウロ州民の同意を十分に得ない中で進められているからだ。クエスト社が4月に行った世論調査では、州民の52%が民営化に反対。サンパウロ市民に至っては61%が反対という結果が出ていた。
 投票日となった2日は最後の公聴会が行われていたが、そこには抗議者も詰め掛けており、民営化賛成派の市民が反対派を挑発して一触即発となったり、反対派の市民が市議と口論になる姿なども見うけられた。
 裁判所からの司法判断を守ったということで、市議会は投票を行うことを決めた。民営化に反対の労働者党(PT)と社会主義自由党(PSOL)は、公聴会の開催回数が不十分だったことや財政面での影響に関する報告書の未提出を理由に、裁判に持ち込む意向だ。
 2回目の投票は37対17で民営化賛成が過半数を得た。アジルソン・アマデウ市議(ウニオン)は与党だが、タルシジオ知事が約束を履行しなかったという理由で投票に参加しなかった。
 投票結果は直ちにヌーネス市長に回され、裁可された後、サンパウロ市政の官報号外版に掲載された。
 今回の法案承認は、2009年に承認された市法1万4934号の「サンパウロ州がSabespの支配権を民間部門に譲渡した場合、契約は自動的に無効化される」という規定を変更するために必要だった。
 Sabespの民営化はサンパウロ州のタルシジオ・デ・フレイタス知事が22年の知事選キャンペーンで掲げた主要公約だが、実現のためには、Sabespの収益の46%を占めるサンパウロ市市議会からの承認が不可欠だった。サンパウロ州議会では昨年12月に62対1の大差で承認されている。
 今回の法案では、Sabespの収益に占めるサンパウロ市への投資の割合を13%から25%に引き上げている。さらに、市の水道環境インフラ基金(FMSAI)への投資も、収益の3%から5・5%に引き上げられた。それにより、30億レアルあるSabespに対するサンパウロ市の負債は18億レアルに軽減する見込みだ。
 2日付テラ・サイト()によると、ヌーネス市長は「サンパウロ市議会は模範的なやり方で民営化の手続きを行った。見直すことはない」と語った。一方、1日付ヴァロール紙()によると、10月の市長選で同市長との一騎打ちが予想されているギリェルメ・ボウロス下議(PSOL)は、ルーラ大統領と共に参加した1日のメーデーのイベントで、「市長になったら民営化を阻止して見せる」と語っていた。


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