中国車の販売シェア7%に=EV課税逃れで前倒し購入

6日付ヴァロール紙(1)によると、ブラジル国内で販売台数の最も多い中国車メーカー3社のBYD、CAOA Chery(以下、CAOA)、GWMは、今年の第1四半期に乗用車・小型商用車市場の6・96%を占めた。
年間累計販売台数21・9万台の中で、BYDはシェア率3・18%と最も高く、続いてCAOAは2・62%、GWMは1・16%を獲得した。BYDとCAOAは、フォードやシトロエンよりも多くを販売し、GWMはプジョーや三菱を抜いている。
中国車の電気自動車(EV)は現時点では全て輸入品で、第1四半期に国内で691・3万台の乗用車と商用車が販売され、前年同期と比較して17・49%も増加した。
4月には、新発売されたBYDの「ドルフィン・ミニ」が、シトロエン「C3」やホンダ「シティ」などのコンパクトカーを抑え、売れ筋ランキングの20位に入った。
これらのブランドはハイブリッド車や電気自動車に特化しているため、中国の躍進は電動化車の販売増を反映している。
トヨタはハイブリッド部門で首位を維持し、年間累計販売の22・94%を占めた。2位はBYD(21・68%)、3位はGWM(18%)と、中国2社が僅差で続いた。
しかし、BYDは純粋なEVの販売では大幅にリードしており、第1四半期の登録モデルの74・49%を占めた。2位はGWM(12・47%)3位はボルボ(3・61%)だった。
燃料車に比べてまだ販売台数は少ないが、EVの販売は増加傾向にある。4月には、ハイブリッド車の登録台数が8500台で、前年同月比で101・02%増だが、純粋なEVは6700台で1090・94%も増加した。
中国車購入が突然激増したのは、これらメーカーの輸入に関心を持つ多くの消費者が、連邦政府によるEVへの関税引き上げが上限に達する前に買うなどの、課税逃れで前倒し購入したことにある。
EVとハイブリッド車が輸入税の対象となっており、政府が定めたスケジュールによると、1月から課税が開始され、2026年7月に35%に達するまで段階的に引き上げられる。EVの税率は10%、ハイブリッド車とプラグインハイブリッド車については、すでにそれぞれ15%と12%となっている。これらの税率は7月にほぼ倍増し、EVは18%、ハイブリッド車は25%、プラグインハイブリッド車は20%となる。
ブラジル・中国ビジネス評議会のコンテンツ・リサーチ担当ディレクターであるトゥリオ・カリエロ氏は、中国からブラジルへの自動車出荷台数の急増は、アジア諸国の典型的な長期戦略の一環であると指摘する。「中国メーカーは自国の自動車が成長する、特定の需要層向けの市場の一部であり、そこを早急に押さえることの重要性を理解している。これはGWMやBYDなどのメーカーが続々とブラジルに進出している動きと一致している」と説明した。(2)