リオ・グランデ・ド・スル州豪雨=被災地に再び強い雨=死者116人、被災者190万人

【既報関連】リオ・グランデ・ド・スル州での豪雨は、5~6日に小康状態となったものの、8日と10日以降は再び強い雨が降る地域が出ており、同州史上最悪の水害が拡大する気配が出ている。
4月28日からの強い雨が小康状態となったのは5~6日で、救助・捜索活動も進んだが、パトス湖周辺地域は8日の雨も重なり、洪水が拡大。10日から週末にかけては、300ミリを超える雨や時速90キロという風が予想されている地域もあり、崩壊の危険度の高いダム周辺や、5日までの雨による増水が続くパトス湖周辺なども注意が必要だ。
10日付G1サイト(1)によると、10日昼現在の豪雨による死者は116人、負傷者は756人で、行方不明者も143人に増えた、また、避難所にいる人は7万772人、親戚や知人宅に身を寄せている人は33万7346人で、自宅を離れて暮らしている人は40・8万人に増えた。特に目立つのは親戚や知人宅に身を寄せている人で、前日発表の16万5112人からほぼ倍増。負傷者は374人から756人だから倍増以上だ。
被災市は437で88%に達した上、被災者も194万7372人に増えた。
9日付アジェンシア・ブラジル(2)によると、同日夜現在で電話やインターネット接続に何らかの問題がある市は222で、アロイロ・ド・メイオ、ドウトル・リカルド、エルドラド・ド・スル、プログレッソの4市は完全に機能停止状態だ。
10日付G1サイト(1)(3)によると、週末の雨は、中央部、北部、北東部、渓谷部、ポルト・アレグレ大都市圏、北部海岸中心に10日が最大120ミリ、11日は40~90ミリ、12日が80~140ミリの予想で、13日も強い雨が残る所が出る見込みだ。また、風も強く、海が荒れると見られている。海からの風はグアイバ湖やパトス湖の水が海に抜けるのを妨げるため、10日朝6時現在で4・74メートルまで低下したグアイバ湖(10日付ヴェジャ誌サイト(4)参照)も含め、水位が上がる可能性がある。
10日付G1サイト(5)によると、ポルト・アレグレでは、国道116号線を経て来る支援物資を積んだトラックや緊急車両を通し、陸の孤島と化した地区住民の移動を可能とする「人道回廊」建設のため、コンセイソン大通りを横切る歩道橋を壊し、回廊を整える作業が進んでいる。歩道橋は荷台の高いトラックなどが通行できない高さだったためで、将来はより高い位置に掛け直される。
空路や陸路を通して運び込まれる救援物資の受け入れ準備は進んでいるが、被害は免れても新たな商品が受け取れない商店やガソリンスタンドでは1人あたりの購入量を制限するところも出ている。
豪雨による被害は農業、鉱工業などの産業部門だけではない。保健衛生部門も回復が急がれる部門の一つで、9日付アジェンシア・ブラジル(6)によると、保健省は同日、大衆薬局で扱う医薬品を必要としている被災者には30日以内であっても医薬品を受け取ることを認めることや、リオ・グランデ・ド・スル州に対する医薬品購入費4千万レを前倒しで支払うことを発表した。