デゾネラソン=ザニン判事が差し止め解除=政府と議会、問題解決へ

【既報関連】最高裁のカルロス・ザニン判事は17日、自身が4月に出した、給与支払い時の税軽減措置(デゾネラソン)を2027年まで延長するデゾネラソン法差し止めの司法判断を、60日間の暫定期間付きながら解除。これによりデゾネラソンが復活した。これは、連邦議会と連邦総弁護庁(AGU)の要請に応えたもので、議会と連邦政府の間でもめ続けていた問題に解決のめどが立ってきたことを意味している 。17日付G1サイト(1)などが報じている。
デゾネラソンはジウマ政権時に始まった、17部門の企業には給与の20%を占める社会保障費の支払いの代わりに、「純収益の1〜4・5%を支払う」ことで税を優遇される制度だ。同様の措置は人口15万5千人までの市にも適用されており、法令の有効期限が切れる前の昨年10月に連邦議会が2027年までの延長案を承認した。
だが、財源確保が困難になるとして、ルーラ政権が反発。昨年11月の法案裁可時にルーラ大統領が拒否権を行使したが、12月に連邦議会がそれを覆した。だが、今年の4月、AGUがデゾネラソン法差し止めを求めたため、ザニン判事がそれに応えて、法令差し止めの司法判断を下した。同判事はかつてルーラ氏の個人弁護士も務めていたため、議会側の反発も大きかった。
しかし今回、ザニン判事は連邦議会とAGUからの訴えに答える形で、自身が出した差し止め判断を取り下げた。AGUは差し止め判断の取り下げを求める理由として議会とハダジ財相との間で合意が成立しているからとしていた。ザニン判事は、この問題は「連邦政府と連邦議会が双方で相談して決めること」とし、次の法案提出の時期決定なども含めた合意を取りまとめる調整期間を60日間と定めた。
この背景には連邦政府と連邦議会側の歩み寄りがあった。9日、両者は共同で、双方の合意が結ばれたとして、17部門の企業のデゾネラソンを2024年いっぱいまで有効にすること、さらに16日は人口15万5千人までの市についても年末までデゾネラソンを継続すると発表していた。
2025年以降に関しては正式には決まっていないが、政府、議会双方は「社会保険保障費支払いの段階的な復活」を行うことで合意しており、政府側が新たな法案を提出することになっている。
現在。予想されているものとしては、企業に関しては、2025年は「給与の5%」から始めて、この比率を徐々に上げていき、2028年に20%にする。市に関しては、給与に占める比率を従来の20%から8%に下げる形で行うことが考えられている。