RS州大水害=産業界の売上15・6%減=連邦政府は家の買上準備へ

【既報関連】リオ・グランデ・ド・スル(RS)州での税収や領収書の発行に関する報告書によると、同州産業界の5月の売上は昨年同月を15・6%下回ったと8日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
4月末からの豪雨による産業界の損失を州の歳入から測ったもので、影響が大きかった部門は、農業投入財39・1%減、金属加工24・4%減、タイヤとゴム18・2%減、繊維及び衣料品17・2%減、木材、セメント、ガラス16・1%減などだ。それでも、5月第1週は全州平均で昨年同月比で37・3%の落ち込みを記録したことを考えると、大水害のピークは超え、回復の兆しが見えると州政府は言う。

地域別減少率は、フロンテイラ・ノロエステ63・2%、アルト・ド・ジャクイー28・6%、タクアリ渓谷26・0%、カイー渓谷25・9%、ポルト・アレグレ大都市圏21・2%だ。
全州の5月の商品流通サービス税(ICMS)徴収額は年初の予測を6・4億レ(16・1%)下回った。同州政府によると、ICMSに貢献している27・8万の施設の91%は非常事態や緊急事態を宣言した市にあり、ICMS徴収額の27%を担う4・4万の施設(全体の16%)は浸水地域にあるという。
大水害が同州や全国の国内総生産(GDP)に与える影響は実態把握や地理統計院(IBGE)による対面調査再開後でないと判明しないが、昨年の同州のGDPは国内4位で、全体の5・9%にあたる6402・99億レアルだった。
なお、9日発表の数字によると、大水害による死者は173人に増え、行方不明者は38人に減った(9日付G1サイトなど(2)(3)参照)。9日付アジェンシア・ブラジルなど(4)(5)によると、グアイバ湖の水位は9日朝の時点で氾濫水位の3メートルを割り、ポルト・アレグレ市での断水もほぼ解消したが、10日付アジェンシア・ブラジル(6)によると、14~9日には寒冷前線通過に伴う雨との予報も出ており、市民の不安は消えていない。
なお、8日付アジェンシア・ブラジル(7)によると、同日は、浸水被害のために閉鎖されたサルガド・フィーリョ空港に取り残されていた航空機47機の一部を他空港に移す作業が始まり、轟音が響いたが、この作業は特別な許可を受けた航空機のみに限定されており、空港の営業再開は12月の予定。
水がひいて自宅に戻る人も出てきたことで避難所の収容者などが少しずつ減る中、7日付アジェンシア・ブラジルなど(8)(9)によると、7日には連邦政府が家を失った人達に提供するための家屋購入基準を発表。8日には、連邦貯蓄銀行が政府が買い上げるための家屋の登録も開始した。
10日には、今回の大水害で使い物にならなくなった車については、自動車所有税(IPVA)の一部が払い戻される可能性があるという記事(19日付アジェンシア・ブラジル(10)参照)も出ている。