アルキミン訪中=264億レのインフラ融資協定=習主席「中国とブラジルが世界の模範に」

中国を公式訪問していたジェラルド・アルキミン副大統領兼商工開発相は、現地時間の7日に習近平国家主席と会談を行った。中国政府はその席で、リオ・グランデ・ド・スル州の復興支援を含む、ブラジルにおける総額264億レアル(約49億5千万米ドル)のインフラ融資協定を発表した。
他方、アルキミン氏はブラジルと中国の商業パートナーシップの重要性を強調し、両国関係が新しい雇用を生み出し、ブラジル経済を向上させると指摘。ブラジルの自由貿易と多国間主義への支持を表明し、商業の防衛は保護主義ではなく、規則に基づいて行うことも強調した。習氏も、「中国とブラジルの関係が世界の協力と平和を促進する模範となる」と述べたと、7日付コレイオ・ブラジリエンセ(1)やアジェンシア・ブラジル(2)が報じた。
融資の額は目的別に分けられる。リオ・グランデ・ド・スル州は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)から50億レアルの融資を受ける。また、社会経済開発銀行(BNDES)には中国開発銀行から、気候変動対策に関連するプロジェクト用に40億レアルが融資される。
アルキミン氏は第7回ブラジル・中国ハイレベル協力委員会(Cosban)の会議の総括を行い、両国間の貿易パートナーシップの強さはブラジル国民にとって新たな雇用創出と所得向上を意味すると強調した。
中国は、大豆、鉄鉱石、石油、肉、砂糖など、様々なブラジル製品を輸入しているだけでなく、エンブラエルやヴァーレ、スザノ製紙、マルコポーロなどのブラジル企業が中国に進出。一方で、BYDやGWMなどの自動車メーカーがブラジルに進出し、相互関係を深めている。同氏によると、この貿易フローは過去20年間で17倍に拡大し、90億米ドルから1570億米ドルに達したという。
同会議では、ブラジル産ピーカンナッツのアジア市場の開設、ブドウとゴマの衛生プロトコルの承認など、いくつかの進展が見られた。コーヒーに関しては中国大手のカフェチェーン「ラッキンコーヒー」との提携協定も取り交わされ、向こう数年間で1億5千万米ドル相当の取引が見込まれることが明らかになった。
家畜部門では、ブラジルの42の食肉処理場が新たに認定された上、一時停止していた11の施設から再び輸出できるようになる。健康分野では、シノバック社とオズワルド・クルス財団(Fiocruz)の細胞治療およびワクチン分野の提携により、ブラジルの医療産業の進歩が期待される。
アルキミン氏は、「我々は二つの課題を抱えている。一つは市場を開放し、投資を引き付けることだ。ブラジルは自由貿易を擁護し、市場を開拓し、多国間主義と貿易協定を支持している。メルコスルは孤立しており、イスラエル、エジプト、パレスチナとしか自由貿易協定を結んでいなかったが、昨年にはシンガポールとも合意が成立した。さらなる前進ができると楽観している」と述べた。
もう一つの課題は貿易防衛の管理であり、「基準があれば、それは保護主義ではない。ブラジル経済のある部門が苦情を申し立てた場合、それを調査するのは政府の義務だ。これは特定の国のためではなく、世界貿易機関(WTO)のルールに基づく一般的なルールだ」と付け加えた。
習近平氏は人民大会堂でアルキミン氏を迎え、「中国とブラジルは、同じ意志と向上心で共に前進するパートナーであり、兄弟だ」と強調した。両国は今年、外交関係樹立200周年を迎えており、習氏は、「中国とブラジルの関係は二国間の範囲を超え、開発途上国の協力、世界の平和と安定を促進し、団結を確立するモデルとして機能する」と述べた。