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アルゼンチン=上院が改革基本法案承認=抗議活動の最中に強行

2024年6月14日

ハビエル・ミレイ・アルゼンチン大統領(Foto: RS/ via Fotos Publicas)
ハビエル・ミレイ・アルゼンチン大統領(Foto: RS/ via Fotos Publicas)

 アルゼンチンでの経済不況や社会的不満が背景にある中で、上院は12日、ハビエル・ミレイ大統領が推し進める経済改革法案の基本文書を承認した。これはミレイ氏にとり、政権開始6カ月で初の立法的勝利とされるが、承認には激しい議論と譲歩が伴い、法案に反対する市民数千人が議会周辺に集まり、警察との衝突も発生した。同法案には、向こう30年間の大規模な投資促進や労働改革、民営化などが含まれていると、13日付テラ・サイトなど(1)(2)が報じた。
 自由至上主義のミレイ大統領が提案した改革法の文書を一連の譲歩によってより控えめな形に縮小させた、通称「基本法(Ley Bases)」の上院での投票は36対36で引き分けとなり、承認は上院を率いるビクトリア・ビジャルエル副大統領にかかっていた。
 同副大統領は、「苦しみ、待ち望み、そして自分の子供たちがこの国を離れることを望まない国民のために、私は賛成票を投じる」と述べた。議員たちは、同法案の238の条項を個別に承認する必要がある。
 就任から半年を経た今、ミレイ氏は初の立法的勝利に近づいている。大統領が所属する自由前進党(LLA)は両院で少数派で、上院では72議席中7議席しかなく、他党との交渉に依存している。
 当初はメガ法案と呼ばれていた改革案は、2月に否決された後、4月に下院で承認される前に内容が削減された。上院では投票前にさらなる譲歩が行われた。
 同法案の審議中、首都ブエノスアイレスでは数千人が抗議活動を行った。騒乱の発端は、議会を隔てる障壁を突破しようとしたデモ隊グループを、警察が催涙ガス、ゴム弾、放水銃で撃退しようとしたことだった。デモ隊も警察に投石して応戦した。
 野党議員5人を含む7人が、警察の催涙ガスを浴び、病院で手当てを受けた。
 治安省の広報担当者は、少なくとも14人が拘束され、警官20人が負傷したと明かした。さらに、ラジオ局「カデナ3」の車両など、車両2台が焼き討ちの被害にあった。
 ミレイ大統領は自身のXを通じて、抗議活動への参加者を「棒、石、さらには手榴弾を使って、クーデターを企てたテロリスト集団」と非難した。
 上院を通過した後、基本法は最終的な承認のために下院に戻される。ミレイ氏はこの承認を「歴史的なもの」と呼んだ。238の条項には、向こう30年間の大規模投資への優遇措置、労働改革、民営化、大統領への立法権の委譲、外国に未申請の資産を持つアルゼンチン人に対する租税免除、輸入関税の廃止などが含まれている。
 ただし、法案を前進させるためにミレイ氏は原案に対する大幅な譲歩を迫られた。交渉の最中、アナーコ・キャピタリスト(無政府資本主義者)の大統領は、議会を「ネズミの巣」と非難するなど、議員や知事に対する侮辱を繰り返した。
 同法案は下院での最初の審議で失敗しており、政府は法案を復活させるため、当初の600条から1/3に内容を減らすことになった。例えば、当初は民営化可能な国営企業が40社以上リストアップされていたが、今では8社しか残っていない。
 また、行政、経済、財政、エネルギーの4部門では、1年間、議会なしに行政府が政策を決定できる分野が11から4に減った。これらの議論は、産業活動と消費が急落して数千人が解雇され、人口の半数が貧困にあえぎ、年間インフレ率が今も300%近く、賃金と年金の価値が下がって人々が購買力を失っている不況の只中で行われた。


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