中銀=新総裁にガリポロ氏=8月にも公式発表か

中央銀行(BC)次期総裁として、8月にガブリエル・ガリポロ氏が指名される見通しだとジャーナリストのラウロ・ジャルジン氏がオ・グローボ紙のコラムで報じた。ガリポロ氏はBCの通貨政策担当理事で、ロベルト・カンポス・ネット総裁の休暇中は総裁職を代行中だ。ガリポロ氏は経済学の学位と政治経済学の修士号を持ち、ファトール銀行頭取を務めた経歴を持つ。7日付ヴァロール紙など(1)(2)が報じた。
ジャルジン氏によると、8月の次期総裁公表はネット総裁の意向に基づくもので、業務引継ぎを円滑に行うためだという。ネット氏は、それよりも早ければ任期終了前にBC内での権力が分散してしまう恐れがあると見ているという。
ネット氏はボルソナロ前大統領(自由党・PL)が任命した人物だが、来年はルーラ大統領(労働者党・PT)が指名する人物がトップに就く。8日付CBNラジオでジャルジン氏は、ガリポロ氏は22年大統領選挙でルーラ陣営の経済参謀を務め、大統領が直接に携帯電話を掛ける間柄と説明した。フェルナンド・ハダジ財相(労働者党・PT)の右腕として財務省事務次官を務めた後、昨年から中銀理事入りして次期総裁就任が有力視されていた。
BCの次期総裁が不明な状態はここ数カ月間のブラジル資産のリスクプレミアム上昇の一因で、5月の中銀通貨政策委員会(Copom)で経済基本金利(Selic)の0・25%ポイント引き下げた際は、ルーラ大統領が任命した委員がより大幅な引き下げに賛成して不安感を引き起こした。
パイン銀行チーフエコノミストのクリスチアノ・オリヴェイラ氏は、ガリポロ氏のインフレ目標達成へのコミットメントと多様な社会層とのコミュニケーション能力から、非常に適任と見ている。
MBアソシアードスのチーフエコノミスト、セルジオ・ヴァーレ氏も、次期総裁名公表は市場を落ち着かせるが、BCの独立性や政府からの圧力への懸念は残ると見ている。