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ルーラ=ボリビアで首脳会談=ガスやリチウムに関心

2024年7月11日

ルーラ・ブラジル大統領(左)とアルセ・ボリビア大統領(右)の首脳会談の様子(Foto: Ricardo Stuckert/PR)
ルーラ・ブラジル大統領(左)とアルセ・ボリビア大統領(右)の首脳会談の様子(Foto: Ricardo Stuckert/PR)

 8日にパラグアイで開催されたメルコスル第64回会議で、6番目の正式加盟国としてボリビアは承認された。その翌9日、ルーラ大統領は同国サンタクルス・デ・ラ・シエラを訪れ、同国のルイス・アルセ大統領や閣僚たちと会談し、様々な分野で10の協定と覚書に署名した。同日付アジェンシア・ブラジルが(1)が報じた。
 アルセ大統領は昨年、ブラジルを4度訪問しているが、ルーラ大統領のボリビア訪問は3期目にして初となった。
 ルーラ氏は、「南米のどの国にとっても個別の解決策はない。我々が団結し、ブロックを形成し、共同で決定を下し、協力して実行に移すか、開発途上国としてもう1世紀を過ごすかだ」と述べた。
 また、医療へのアクセスや組織犯罪との闘いなど、両国間で交わされた協定について、「我々は、人身売買や麻薬取引と闘う公的機関の能力を強化し、移民管理の改善のためのいくつかの協定に署名した。また、ブラジル人がボリビアで公的医療を受けられるようにし、同様にボリビア人がブラジルの統一医療保健システム(SUS)の利用を可能にするための交渉も開始した」と述べた。
 首脳会談では、ブラジルのマット・グロッソ・ド・スル州コルンバとボリビアのプエルト・キハロ間の乾燥地帯に肥料工場を設置するプロジェクトや、ブラジルのロンドニア州グアジャラ・ミリンとボリビアのグアヤラメリンを結ぶマモレ川に橋を架けるプロジェクトについても話し合われた。
 一方、アルセ大統領は諸国統合促進のために道路と鉄道の接続を進展させ、太平洋と大西洋へのアクセスを向上させることで、南米の中心に位置するボリビアが重要な存在になると強調した。
 同会談はボリビアでのクーデター未遂事件から12日後に行われた。ルーラ氏は、「権威主義的な空想やクーデターは容認できない。我々には民主主義を後退させようとする目論みに対抗するという大きな責任がある。世界中どこでも、民主主義勢力の分裂は極右勢力の役に立つだけだ」と述べた。
 一方、アルセ大統領は、世界的な影響力を持つ指導者で、ボリビアの政治情勢も熟知しているルーラ大統領からの支持を受けられたことが重要だと強調した。
 また、ルーラ大統領は声明の中で、11月にリオで開かれるG20サミットにボリビアを招待したことを明かし、アルセ大統領はBRICSへの参加にも前向きだと述べた。
 10日付コレイオ・ブラジリエンセに(2)よると、ルーラ氏は9日、ペトロブラス(PB)のマギダ・シャンブリア新総裁を連れてビジネスフォーラムに参加し、同社が18年ぶりにボリビアでの天然ガス探査に投資する意向であることを明らかにした。
 PBは以前、ボリビアの天然ガス生産の60%を担っていたが、2006年にエボ・モラレス大統領(当時)によって問答無用に国有化され、現在は25%に減少している。
 シャンブリア氏は、「ブラジル、ボリビア、アルゼンチン間のガスパイプラインの相互効果に大きな期待を寄せている。ブラジル市場は1日あたり5千万立方メートルの天然ガスを必要としており、生産量を3倍の1億5千万立方メートルにできると考えている。このガスは石油化学産業や肥料生産に使用される」と述べた。
 ただし、アルセ大統領は昨年、同国の天然ガスは底を尽き始めたと発言しており、PBによる探査の件は不透明だ。
 ルーラ氏はブラジルの関心がボリビアのリチウム採掘にも及ぶことを示し、「南米が持つリチウムに付加価値を付けたい」と述べた。ルーラ氏はアレシャンドレ・シルヴェイラ鉱山動力相を同行させ、同国の鉱物資源、特にリチウムについて、具体的な行動を検討するためにボリビアの企業家たちと協議したことも明らかにした。


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