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伊大統領が24年ぶりブラジル訪問=移民150周年や貿易協定協議で

2024年7月16日

大統領府での調印式と記者会見に臨むルーラ統領(右)とセルジオ・マッタレッラ・イタリア大統領(左)(Foto:Marcelo Camargo/Agência Brasil)
大統領府での調印式と記者会見に臨むルーラ統領(右)とセルジオ・マッタレッラ・イタリア大統領(左)(Foto:Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 セルジョ・マッタレッラ・イタリア大統領が14日から5日間、ブラジルを公式訪問中で、ブラジルのイタリア系移民150周年記念式典への参加や、メルコスルと欧州連合(EU)間の貿易協定、ブラジルはG20、イタリアはG7の議長国であることから、二つの主要な多国間フォーラムの対話がハイライトとなると同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)が報じた。イタリアの国家元首がブラジルを訪問するのは24年ぶりとなる。

 マッタレッラ大統領はブラジル訪問中にサンパウロ市、リオ市、サルバドール市の各都市と、ブラジルにおけるイタリア系移民の主要な拠点の一つリオ・グランデ・ド・スル州を訪問する。同州は5〜6月に未曾有の大水害に見舞われ、イタリアからも25トンの支援物資を受けていた。
 ルーラ大統領は15日、マッタレッラ氏と大統領府で会談し、ブラジルはメルコスルと欧州連合(EU)間の貿易協定を早く締結することに関心があると伝えた。ルーラ氏は交渉の進展は欧州側の政治的意志にかかっているので、「EUが一方的に課している炭素税のような措置はイタリア市場に最も多く輸出されているブラジル製品10品目のうち5品目に影響を及ぼす可能性がある」と指摘した。
 一方マッタレッラ氏は、ブラジルとイタリアの結びつきを重視し、両国の貿易協定を速やかに承認することが不可欠だと指摘。この協定は重要な歴史的意義を持ち、二つの圏域をより緊密にするものと述べた。「同協定は協調と平和の二つの偉大な現実を、世界の利益のために結びつけるものだ。大陸間統合の協力体制は世界平和を保証する要素なのだ」と締めくくった。
 ブラジルはG20、イタリアはG7の議長国として両国が共有する課題である「飢餓と不平等との闘い」についても話し合った。
 経済面については、2007年に戦略的パートナーシップに昇格したブラジルとイタリアの貿易関係は現在約100億ドルだが、拡大の余地があるという。2024年の上半期には、ブラジルはイタリアから約8億7040万ドル分の輸入超過を記録した。この時期、イタリアはブラジルにとって14番目の主要輸出先となり、6番目の主要輸入国となった。
 ブラジルからイタリアへの主な輸出品目は、セルロース、未焙煎コーヒー、大豆などの原材料で、イタリアからの輸入品目は医薬品、自動車部品、産業製品、工業用機械などだ。
 イタリアはブラジルに約1千社の企業を持ち、15万人の直接雇用を提供している。ルーラ大統領はイタリアの投資誘致に取り組んでいると述べ、航空産業などの伝統的な協力分野だけでなく、自動車やエネルギー分野での関心も強調した。
 ブラジル中銀によると2023年、イタリアはブラジルへの主な外国投資家の中で18位にランクされた。昨年、イタリア企業はブラジルに3億1900万米ドルを投資したが、これに対してスペイン企業は24億9200万米ドルを投資した。


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