ルーラ=台所用ガスを基礎セットへ=支援増が財政規律の重荷に

ルーラ大統領は、台所用プロパンガス(LPG)は国民生活に不可欠な、「基本的な」ものとして扱われなければならないと主張し、第3期政権中に、同品目を基礎食料品セット(セスタ・バジカ)に含めると述べた。8月30付エスタード紙(1)(2)などが報じた。
これは同日、北東部パライバ州のラジオ局MaisPBとのインタビュー中に述べられたもので、大統領は「2026年までに、2160万世帯に無料でガスを供給することを決定した。ガスは基本的な食料バスケットの一部となる」と語った。
ルーラ氏は8月26日に行われた国家エネルギー転換政策開始式典で、「ガスは安い。ペトロブラスはガスを無駄に燃やさず、むしろ、貧しい人々が薪を使わず調理できるように提供すべきだ」と述べ、セスタ・バジカに台所用ガスを含めるよう求めていた。アレッシャンドレ・シルヴェイラ鉱山動力相は、国連の持続可能な開発目標に対応し、清潔な調理法と薪の代替を促進する意向を表明した。
ルーラ氏はまた、給付金に充てられる資金に関する批判に反論し、「この国で高いのは借金と利払いだ。それが高いんだ。私は市場から選ばれたわけではないし、彼らが私に投票したとも思わない。よって、私は市場のために政治をするのではなく、国民のために政治をするのだ」と主張した。
第3期ルーラ政権は次期大統領選がある2026年に向けて、ガス補助金プログラムの支出を4倍に増加させる計画を提案している。計画では、現在の34億レアルから136億レアルに増加する見込みで、鉱山動力省では、この資金をプレ・サル基金(岩塩層下油田から得られる石油収益を教育や保健などの公共サービスに使用するために設立された基金)から調達することを考えている。だが、専門家からは、財政責任法(LRF)の規定に照らし、長期的な支出増を維持できるかを懸念する声が出ている。
ジェフェルソン・ビッテンコウト国庫庁元長官は、支出増加には新たな収入源が必要で、現行の計画では財政的な不均衡を招く恐れがあると警告している。現在のガス補助金は裁量的支出と見なされているが、政府が2年以上にわたって実施する計画となれば義務的で継続的な支出に変わる可能性がある。その場合は、LRFに則った恒久的な収入増加や支出削減も求められる。義務的支出の増加は財政の主要課題の一つで、財政枠組みの上限を超えて支出が増えれば、予算を圧迫する。専門家たちは長期的には財政枠組みの崩壊や公共機関の停止が予想されると警告しており、政府は構造的な改革を行う必要があると指摘している。
ガス補助金プログラムは「ガス・パラ・トードス(全ての国民にガスを)」と改名され、国家原油庁(ANP)による、地域毎のガスボンベの価格上限設定も含まれている。
現在のガス補助金は社会福祉政策「ボルサ・ファミリア」の受給者の口座に隔月で102レアルが振り込まれているが、生活扶助の受給者全員が対象となるわけではない。政府は26年までに全ての生活扶助受給者が補助金を受け取れるようにする計画で、利用者と販売業者はカイシャ(連邦貯蓄銀行)が開発中のアプリを通じて登録する必要がある。販売業者は政府からの資金を直接受け取ることになる。
ガスの補助金を増やすための法案は現在、連邦議会での審査を待っている。