アマゾン川=史上最悪の水位低下に=船接岸困難、魚不足も

【既報関連】歴史的な少雨干ばつに火災多発と、気候変動の影響が顕著な中、アマゾン地域やパンタナルの川は水位低下が著しく、船の就航や漁などもより困難になっている。

アマゾン地域やパンタナルの川の水位低下が歴史的なレベルであることは、23日付R7サイトなど(1)(2)(3)(4)(5)(6)で繰り返し報じられている。
23日現在のアマゾン地域の主要河川の水位は、ソリモンエス川がアマゾナス州タバチンガで2・28メートル、同フォンテ・ボアで7・72メートル、同イタペウアで1・4メートルとなっている。また、マデイラ川はロライマ州ポルト・ヴェーリョで25センチ、タパジョース川はパラー州イタイトゥーバで1・17メートルとなっている。
また、アクレ川は21日にアクレ州リオ・ブランコで1・23メートルを記録。アラグアイア川は19日に、マット・グロッソ・ド・州サンフェリックス・ド・アラグアイアで2・97メートルを記録した。
状況はパンタナルでも同様で、パラグアイ川はマット・グロッソ州バラ・ド・ブルレスで1966年以降で最低の24センチを記録。マット・グロッソ・ド・スル州ラダリオでは20日、1964年に記録したマイナス61センチや2021年のマイナス60センチに迫るマイナス41センチに達した。同市では124年前から水位の記録が残っており、水位計測も従来の計測地を基準としているため、水位がマイナスでも完全に干上がってはいない。同市では0水位となった時点で約5メートルの深さを保っている。
パラグアイ川はボリビア、パラグアイを経てアルゼンチンに至る、パンタナル有数の川だ。
アマゾンとパンタナルは今年の火災件数上位2州で、今後数週間、まとまった雨の予報は出ていない。川の水位は更に悪化する見込みで、国家水資源庁(ANA)は23日、タパジョース川のイタイトゥバ~サンタレン間(いずれもパラー州)を11月30日まで、水不足の状態発生と認めた。
アマゾナス州ではネグロ川の水位低下が顕著だ。23日付G1サイト(7)は、同日の同川の水位は、昨年マナウス市で観測され、121年間で最低とされた12・70メートルまで1・7メートルに迫る14・49メートルまで低下と報道。ネグロ川は8月も5メートルの水位低下を見たが、9月は23日間で5・24メートルの水位低下が起きている。
マナウス市は干ばつによる緊急事態が宣言され、ポンタ・ネグラでの水浴も禁止されている。調査員達は、ネグロ川上流の状況は昨年ほどひどくなく、昨年の水位には至らないと見ているが、マナウス港は既に接岸が困難になっている。また、24日付バンジニュース(8)は、ネグロ川の水位は14・30メートルで漁が困難になっていると報道。マナウス市では魚不足が起きることも予想されている。
また、20日付アジェンシア・ブラジル(9)によれば、アマゾナス州のテフェ湖では12日と20日に小型イルカの死体が確認された。昨年は200頭以上のイルカが死亡している。