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統一地方選=PSDが市長数首位に大躍進=他の中道政党も軒並み台頭=政治二極化の印象を上回る

2024年10月9日

ジルベルト・カサビ氏(facebook)
ジルベルト・カサビ氏(facebook)

 今年の統一地方選(市長、市議選)では、市長数で1位になった社会民主党(PSD)を始め。民主運動(MDB)、進歩党(PP)、ウニオンといった中道政党の伸びが目立ち、ここ数年間叫ばれ続けていたルーラ大統領(労働者党・PT)とボルソナロ前大統領(自由党・PL)の左派対保守というの二極化傾向とは異なる結果が出て、注目されている。7日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)が報じている。

 全国51市ではまだ決選投票が行われるが、現状の市長数上位10傑の順位は、決選投票の勝者が加わっても入れ替わることはない。
 今回の市長選で当選者が最多だったのはPSDで、現時点で878人が市長に選ばれた。同党は2011年に、当時、サンパウロ市長だったジルベルト・カサビ氏が結党した党で、統一地方選に初参加した2012年と比較して市長数を2倍にすることに成功。今回は初めて、市長数最多政党となった。
 2位に落ちたのは20年間1位を保持し続けていたMDBだが、今回の選挙でも847人を獲得。続いてPP(743人)、ウニオン(578人)と来た後、ボルソナロ氏のPLが510人で5位、以下、共和者(RP、430人)、ブラジル社会党(PSB、309人)、民主社会党(PSDB、269人)と続き、PTは248人で9位、民主労働党(PDT、150人)が10位だ。
 市議の数はMDBが8074人で1位で、PP(6914人)、PSD(6579人)、ウニオン(5437人)、PL(4929人)、RP(4518人)、PSB(3557人)、PT(3118人)、PSDB(2975人)、PDT(2479人)となっている。
 ボルソナロ氏のPLは、今回の市長選においても市長数全体3位と、伸びを見せた。とりわけ、決選投票では最多の23人の候補を残した点を評価する声もある。だが、選挙前から積極的に全国を回り、市長増で保守の台頭を目指していたことを考えると、中道政党ほどの結果は出なかった。
 とりわけ、リオ州では、以前から懇意の元ブラジル情報庁(Abin)長官のアレッシャンドレ・ラマジェン氏を自身のひざ元のリオ市の市長選に送り込んだが、一次投票で惨敗となったこと、サンパウロ市長選では自身と政治信条の異なるリカルド・ヌーネス氏を推して決選投票に進んだものの、自身の支持者の多くはパブロ・マルサル氏(労働刷新党・PRTB)を支持したことで不評を買う場面も見られた。マルサル氏に票を投じた人の中には、同氏落選の原因は前大統領として、ボルソナロ氏のSNSに苦情を書き込んだ人もいる。
 一方、ルーラ氏のPTは2016年のジウマ大統領罷免時に市長数を激減させた後、市長数を回復させてはいるが、まだ数としては大きなものではない。今回の選挙でも州都に自党の有力候補が少なく、ルーラ氏もキャンペーンには積極的に参加しなかったため、数としては伸び悩んだ。今回の結果後、2026年の大統領選の展開は不透明のまま、という声も上がっている。
 今回の結果を受けて、PSDのカサビ党首は「勝ったのは中道だ。二極化にかけた人は間違いだ」と語った。同氏は、「サンパウロ市長選の二極化が全国規模に至るとは思えない。大切なのは、サンパウロ市長選の一番の勝者はタルシジオ・デ・フレイタスサンパウロ州知事(RP)といわれるように、政治信条の違う国や州と地方が協力しあう姿勢であり、そういうものが求められているのだ」と主張している。


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