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統一地方選=再選狙った市長は8割当選=棄権率は21%で高止まり

2024年10月10日

一次投票の結果を報告するカルメン・ルシア選挙高裁長官(6日付G1サイトの記事の一部)
一次投票の結果を報告するカルメン・ルシア選挙高裁長官(6日付G1サイトの記事の一部)

 【既報関連】6日に行われた統一地方選の第一次投票では、従来の選挙では見られなかったような事柄が見られた。
 7日付G1サイト(1)は今回の第一次投票で目立った事柄として、1~3位までが1・34%ポイント(8・1万票強)の差という大接戦だったサンパウロ市市長選、4州都の市長が60~83%の高得票率で一次当選したこと、民主社会党(PSD)所属市長大躍進、市長選での政党資金増は労働者党(PT)のみだったこと、市議選での民主社会党(PSDB)衰退と民主運動(MDB)や進歩党(PP)、PSDの躍進、地方選出馬の連邦議員68人中46人が一次投票で落選したこと、女性市長増加、著名人の落選、棄権率の高さの10項目を挙げた。
 再選を目指していた市長は8割が一次投票で当選を決めたことなども特筆に値する。8日付アジェンシア・ブラジル(2)によると、再選を賭けて出馬した市長は3千人以上いたが、80・6%にあたる2444人は一次投票で当選を果たし、現在の市政がそれなりの評価を得ていることを証明した。
 この数は一次投票で当選した市長の44・6%を占めている。また、一次投票で落選した現職市長は590人で、新たに選ばれた市長は3077人だった。この数は決選投票で変わる。
 現職で出馬した市長の再選率が高かったのは、ロライマ州(10人中10人)やアラゴアス州(55人中54人)だ。ミナス州は455人中375人(82・41%)が再選されたが、サンパウロ州は365人中259人で70・95%に止まった。サンタカタリーナ州も64・33%と低かった。
 8日付アジェンシア・ブラジル(3)(4)によれば、市長選では、黒人奴隷の子孫が作り、黒人特有の文化なども残しているキロンボ出身者(キロンボーラ)の候補17人(2人は女性)が当選。先住民族出身の当選市長も7人いる。
 他方、8日付アジェンシア・ブラジル(5)によると、市議選では全体の40・79%にあたる2万3823人が再選された。キロンボーラの市議当選者は男性262人、女性72人で、先住民族からも男性180人、女性34人が当選している。
 今回の選挙は二極化が言われながら中道勢力が伸びたことも特徴だったが、4日付アジェンシア・ブラジル(6)が、今年の選挙戦での暴力行為(殺人、脅迫、襲撃その他)は同時点で145件で、昨年の63件の倍以上と報じたような危険性、二極化や対立を嫌ったせいか、棄権率は21・71%に達した(6日付G1サイト(7)参照)。この数字は、パンデミックで棄権率が高まった20年選挙の23・15%よりは低いが、16年選挙の17・58%は上回った。
 カルメン・ルシア選挙高裁長官は直前まで、民主主義を守るためにも1人でも多くの人が投票するようにと呼びかけていたが、棄権率は20%を超えた。同長官は棄権率の発表と共に、連邦、州、市が治安や有権者の足の確保に協力し、スムーズな選挙運営と民主的平和を保証してくれたとして、謝意も表した。


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