サンパウロ州=警察による殺害事件増加=黒人の被害は白人の2倍

サンパウロ州における警察官の暴力による殺人事件が2024年になって増加傾向にあると、22日付フォーリャ紙(1)が報じている。
これは、非政府団体「ソウ・ダ・パス」が今年の1~8月に行った調査で明らかになった。
それによると、市警並びに軍警の暴力行為によって死亡した人の数が、昨年同時期の247人から441人にと78%増えていることがわかっている。
さらに、今年亡くなった人の内訳は、黒人と褐色を合わせた黒人系が283人、白人が138人で、黒人系の死者が白人の約2倍となった。この傾向は2023年も同様で、黒人系の死者154人に対し、白人は87人だった。サンパウロ州の場合、黒人と褐色を合わせた人口は41%だから、黒人系の死者が犠牲となる割合は白人より高い。
また、地域としては、サンパウロ市とサントス海岸部での増加が目立つ。サンパウロ市では昨年の76人が118人に増えている。
また、サントス並びに海岸部の22市では、54人が109人に増えている。その内の93人は、軍警のエスクード、ヴェロン作戦によるものだ。この二つの作戦は警察官による死者が多く出たとして、社会的な問題にもなった。
サンパウロ州保安局は警察官による殺害事件多発に関して、「法律が定めた規定の範囲内で行動を行っている」との見解を示している。