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中央銀行=債務総額初の9兆レ台に=急増、GDP比80%目前

2024年12月3日

債務総額(折れ線グラフ)とGDPに占める割合(棒グラフ)(11月29日付CNNブラジルの記事の一部)
債務総額(折れ線グラフ)とGDPに占める割合(棒グラフ)(11月29日付CNNブラジルの記事の一部)

 中央銀行が11月29日に発表した「税務統計」報告書によると、ブラジルの債務総額(DBGG)は9兆320億レアルとなり、史上最高となったと発表したと同日付クルツーラなど(1)(2)(3)(4)が報じた。DBGGは連邦政府、国立社会保障院(INSS)、連邦自治体、地方自治体を含む。
 報告書によると、10月のDBGGは前月比で1・16%増で、昨年同月比では14・13%増えた。また、1~10月は9526億レ、現政権では1・8兆レ増えている。専門家は、債務増加の主要因を、名目金利の推移、為替の変動、債務の純償還、名目GDP(国内総生産)の変動としている。
 DBGGの集計開始は2006年で、第2期ルーラ政権(2007~10年)では6749億レ、第1期ジルマ政権(2011~14年)では1兆2410億レ、ジルマ/テメル政権(2015~18年)では2兆200億レ、ボルソナロ政権(2019~22年)では1兆9520億レ増えていた。
 また、GDP比で見たDBGGは、10月現在で78・64%で、新型コロナのパンデミックの最中に記録した80%超には至っていないが、影響が残っていた2021年10月の79・1%以来の高水準だ。GDP比で見たDBGGは今年だけで4・22%ポイント(PP)、現政権では6・96PP増えている。
 11月29日付CNNブラジル(5)は、連邦政府の経済スタッフが発表した財政支出削減策はDBGG増加傾向逆転には不十分というジェフェルソン・ビッテンコウト国庫庁元局長の見解を掲載。同氏によると、2026年のDBGGはGDP比で84%になる見込み。2022年は71・7%だった。
 公的負債急増は、公的会計の持続可能性確保を危うくし、投資の誘致を困難にするため、構造改革と厳格な財政調整措置の必要性についての議論も再燃。債務抑制の取り組みが長期にわたることは連邦政府も認識しているが、債務がGDPの80%を超える可能性が明確になる中では、経済成長と財政再建を損なわないためにも早急な対応が必要だ。
 10月のDBGGをGDPで見ると、前月比で0・4PP増えた。10月は名目金利の影響が0・7PP増、為替レート切り下げの影響が0・3PP増えた一方で、債務の純償還は0・1PP減、名目GDPの変動は0・5PP減った。
 他方、今年の名目GDP成長率が4・1PP減であることもあり、1~10月はGDP比でのDBGGが4・2PP増えている。内訳は、名目金利の影響6・3PP増、国債純増1・1PP増、為替レート切り下げの影響0・7PP増、債務の認識0・2PP増だ。
 10月の場合、中央政府の基礎的財政収支は391億レの黒字で、148億レの黒字だった昨年10月比で149・3%増えている。
 他方、過去12カ月間の公共部門の赤字は2235億レとなった。この数字はGDPの1・95%に相当する。


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