アデルがサンバを盗作?=リオ地裁が驚きの厳しい処分

リオ地裁は16日、イギリスの世界的人気歌手アデルの楽曲「ミリオン・イヤーズ・アゴー」はブラジルのサンバの大御所歌手が歌ったことで知られる曲の盗作疑惑があるとし、全ての音楽配信プラットフォームから削除するよう命じた。同日付G1サイト(1)などが報じている。
訴えを起こしたのはブラジル人作曲家のトニーニョ・ジェラエス氏で、アデルの曲は彼が書いた曲「ムリェーレス」の盗作だとして、曲の作者であるアデル本人と共作者のグレッグ・カースティン、同曲で国際的権利を持つベガーズ・グループ、ブラジルでの配給元で著作権を保有するソニー・ミュージック・エンターテインメント・ブラジル、 ユニバーサル・ミュージック・パブリッシングMGBブラジルを相手に、訴訟を起こした。
「ムリェーレス」は1990年代に書かれ、様々なアーティストによって歌われたが、サンバ界の大御所のマルチーニョ・ダ・ヴィラが1995年に録音したものが最もよく知られている。
ヴィットル・アグスチン・ジャッコウド・ジス・トーレス判事はジェラエス氏の訴えを認め、「ミリオン・イヤーズ・アゴー」をユーチューブやスポティファイなどのプラットフォームから削除するよう命じ、従わない場合は1日につき5万レアルの罰金を命じている。
アデルはグラミー賞の最重要部門「最優秀アルバム賞」を2度受賞した世界的大物で、この曲は同賞2度目の受賞となった2015年のアルバム「25」に収められている
ブラジルの音楽ファンの間では「世界的な人気歌手がブラジルの歌手の作品を盗作することがあり得るのか?」との驚きが目立つが、両曲を混ぜた動画が拡散されると、「確かに酷似している」との反応が多かった。