ブラジリア=民主主義擁護イベント開催=三権中枢施設襲撃2周年で

三権中枢施設襲撃事件から丸2年となる8日、民主主義擁護イベント「民主主義への抱擁(abraço à democracia)」が開催されるが、上下両院議長が欠席し、社会運動団体を含む参加者が予想を大きく下回る見込みで、閣僚改革などにも影響が出そうだと7日付UOLサイトなど(1)(2)が報じている。
4日付のコンスルトール・ジュリジコなど(3)(4)(5)(6)によると、8日のイベントの運営はブラジル人民戦線(Frente Brasil Popular)が担当し、大統領府と三権広場で一連の記念式典を開催する予定だ。
最初の式典は9時半に大統領府で開催され、23年1月8日の三権中枢施設襲撃事件で破壊され、損傷を受けたが、修復作業が終わった芸術作品などが納品される。修復が終わった作品の中には、スイスで修復作業が行われた17世紀の精巧な時計も含まれている。
10時半に始まるのはやはり修復作業を終えたジ・カヴァルカンテの1962年の作品『As Mulatas』の除幕式で、11時からは、大統領府貴賓室で立法府と司法当局の関係者も参加した式典が開催される。
また、イベントの締めくくりは「民主主義への抱擁」で、23年1月9日の緊急会合後と同様に、貴賓室を出たルーラ大統領が主賓らと共に大統領府のスロープを降りてきて、三権広場に集まった人達と直接会うという設定になっている。このイベントでは、大統領の要請で、当局関係者と民衆との間の柵が取り除かれる予定だという。
このイベントは当初、「三権広場への抱擁」としてアナウンスされていたが、その後、「民主主義への抱擁」に改名された。この変更は、出席者が限られている場合も連邦政府のメッセージを強化するためで、聴衆が減少する可能性があっても、イベントの焦点を保つ試みと見られている。
イベントの開催をアナウンスするビデオには、ルーラ大統領やパシェッコ上院議長、バローゾ最高裁長官による三権中枢施設襲撃事件に関する発言も収録されており、三権の長や三軍の総司令官、社会運動団体の他、国立歴史美術遺産院(Iphan)やペロタス連邦大学、スイス大使館などの代表らも参加すると見られていた。
だが、7日付ガゼッタサイトなど(7)(8)(9)によると、パシェッコ議長は外国に旅行するため欠席と連絡。リラ下院議長は昨年のイベントも欠席しており、今年も欠席の見込みだ。
また、4日付レヴィスタ・フォルム(10)によると、社会運動団体は4日の時点で既に連邦政府側の対話と政局調整努力の欠如を批判しており、全国的な取り組みとなるか否かへの疑問を提示。7日現在の報道(7日付メトロポレ(11)参照)では、大統領命令で休暇を返上して出席する閣僚もいるが、複数の閣僚は欠席する見込みだ。また、当初は5万人と見込まれていた参加者は2千人程度で終わる可能性があり、昨年のメーデーの集会でも労組代表らを集められず、連邦政府内で批判されたマルシオ・マセド大統領府総務室長官が、今月後半に持たれる閣議で閣僚改革の矢面に立たされる可能性が高まっている。