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空手古武道と料理を指導=沖縄から訪問団8人来伯

2025年1月10日

「うりずん」の舞台発表を見る沖縄訪問団(前席向こう側)
「うりずん」の舞台発表を見る沖縄訪問団(前席向こう側)

 空手古武道と料理の指導・交流などを目的に、沖縄県からの訪問団一行8人が、12月4日から14日までの10日間にわたってアルゼンチンとブラジルを訪れた。
 一行は、沖縄県文化観光スポーツ部交流推進課ウチナーネットワーク推進班の山里将志(まさし)班長、同推進課の内山知洋(ともひろ)主査、 村濱(むらはま)千賀子氏(琉球料理ユネスコ無形文化遺産登録推進委員、琉球料理伝承人)、金城(きんじょう)敏江氏(栄養教諭)、上間建(うえま・たけし)氏(空手家、小林流守武館理事)、永山盛将(もりまさ)氏(同守武館指導員)、比嘉千穂氏(コーディネーター)、仲座啓太氏(カメラマン)の8人。アルゼンチンの首都ブエノスアイレスをはじめ、サンパウロ市のブラジル沖縄県人会ビラ・カロン支部やカンポ・グランデ支部でそれぞれ指導と交流が行われた。
 12月14日午後1時半からは、サンパウロ市リベルダーデ区の沖縄県人会本部で「うりずん」(留学生研修生OB会)の発表会に合わせて一行の歓送迎会が開かれた。
 ウチナーネットワーク推進班の山里班長によると同班は、海外のウチナーンチュとの連携を目的に2024年4月に開設され、各国にある県人会や支部のニーズに合った支援活動を行っていくという。
 山里班長は歓送迎会のあいさつで「今回、たくさんの1世、2世の方々や3世、4世の新世代の方々にお会いし、『ちむぐくる(真心)』と『ゆいまーる(助け合い)』の気持ちが引き継がれていることを実感しました。今後も南米の皆さんの意見を聞きながら、このような交流が続いていくことを望みます」と期待していた。
 引き続き、ブラジル沖縄県人会の高良律正会長が一行への感謝の気持ちを表し、「短期間でハードなスケジュールの中、(一行の)皆様にブラジルでいかに沖縄文化が継承されているかを知っていただければ」と述べた。
 これまでカナダのほか、スイス、チェコ、スペインなどヨーロッパで空手古武道の指導を行っているという上間建氏(49、教士7段)は「南米訪問は初めてですが、様々な空手の流派がある中でお互いを見せ合う良い経験になりました。貧困層の子供たちとの交流もありましたが、今後、空手を通じた成功事例を広げていってもらえれば」と話していた。
 今回、約10年ぶりの再会を果たしたのは、琉球料理伝承人の村濱千賀子氏(61)とサンパウロ市在住の中野明美さん(85)、比嘉洋子さん(86)の姉妹。村濱氏と同姉妹は親せき関係にあたり、中野さんが10年ほど前に訪日した際に会ったきりだったという。初めての南米訪問となった村濱氏は「(料理指導で)皆さん喜んでくれて嬉しかった」と笑顔を見せていた。
 なお、山里班長によると、懸案事項の「沖縄県南米連絡事務所」開設については現在も沖縄県側で検討されており、今年(24年)10月、11月に別の調査団がブラジル、ボリビア、ペルー、アルゼンチンの4カ国を訪問。事務所の設置場所や人的問題など、今後の可能性について分析し、25年の年明けに調査内容が発表される見込みだという。


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