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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(84)

2025年1月15日

 対して林大使は、全く逆の印象を残した。三浦は、
 「大使林久次郎君に一言す。戦いは負けだ。この際潔く、旗を巻いて日本へ帰ることだ。その罪はまさに死に値する。帰れ、帰れ、皆帰れ」
 と、紙面で怒号した。
 ところで、ミゲール・コウトは、実は日本人・日本嫌いではなかった、という説もある。医師として貧しい日本移民の患者を受け付ければ、診療費はとらず、かつ親切であった。また死の直前、排日法に関して「日本には気の毒なことをした」という言葉も残した。
 それ以上の深部については資料を欠くが、ひとつには、世間がその優生学を長く無視したことが、我慢ならなかったのであろう。...

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