航空再編=ゴルとアズールが合併へ=覚書に署名、可能性探る

15日付エスタード紙など(1)(2)によると、ゴル航空とアビアンカ航空を経営するアブラ・グループは同日、ブラジルでの事業統合を目指し、アズール航空との合併に関する覚書(MoU)に署名したと発表した。同グループは投資家向けの発表で、この合意は「取引実現の可能性を探るための交渉過程の初期段階にすぎない」とし、合弁が成立すれば、両社は単一の上場企業として統合されるが、それぞれのブランドと運営資格は独立して維持されると強調。両社は顧客に対して新たな機会や製品を提供し、効率性の向上を目指して、その他の分野での統合を進める予定だと説明した。
覚書には、取引はゴル側の再編計画の完了やその他の条件・承認を前提としており、「アブラとアズールは、両社の統合後の負債比率が、ゴルの負債比率と同等であることを確認するという商業的原則に合意した」と記されている。
ゴルは2024年1月に米国で会社更生法を申請。米連邦破産法11条に基づく手続きが現在進行中であり、負債額は約200億レに達すると見積もられている。同社は当時、この手続きの目的として、短期的な金融負債の再構築と「長期的な持続可能性を確保するための資本構造の強化」を挙げていた。この合意が同社の戦略や日常的な業務運営に影響を及ぼすことはなく、最終的に独立した資本を有する企業として再生することを目指しているという。
一方、アズールは声明の中で、事業統合の目的は「ブラジルの航空業界の成長を促進することで、消費者に対してより多くの目的地、路線、接続性、サービスを提供し、国内線および国際線の便数を増加させること」であると述べている。
同社の最高経営責任者(CEO)であるジョン・ロジャーソン氏は、エスタード紙に対し、2025年末までに合併が完了する可能性があると語った。また、統合後の企業は明確な支配構造を持たず、オーナー不在で運営されると説明。新会社の取締役会は、アブラ側から3人、アズール側から3人、そして外部からの3人で構成される予定だと述べた。
アズールはまた、覚書には、統合後のガバナンスに関する理解を示し、企業間で株式交換やその他の条件に関する交渉を継続する意向があると強調した。取引の実行には、両社間で経済的条件に関する合意が得られ、適切なデューデリジェンス(事業や財務状況、リスクなどを詳細に調査するプロセス)が完了した上での最終契約の締結、企業及び規制当局の承認(ブラジルの独占禁止法当局を含む)を受けることが求められる。
両社合併に関する噂は約1年前から広まり始めていた。この計画には、アブラとアズールの持株会社の合併、あるいは両社間での共同事業(ジョイントベンチャー)の設立など、他の戦略的な選択肢も含まれる可能性があると報じられている。