サンパウロ市市長=99Motoに法的措置=中国領事に苦情申し立て

14日からサンパウロ市で運行を開始したモトタクシー「99Moto」について、リカルド・ヌネス市長は、市の条例を無視し、裁判所の決定にも反しているとして、運営会社である中国企業「99」に対して法的措置を取る意向を表明した。また、市国際関係局が中国総領事に、同社が法的秩序を無視していることへの懸念を伝えたことも明らかにした。16日付エスタード紙など(1)(2)が報じた。
ヌネス市長は16日の記者会見で、99Motoのサービスは市条例に違反していると指摘し、市検察局に訴訟を起こすよう指示したことを明らかにした。また、同社に対して24時間以内にサービスを中止するよう通知し、従わなければ罰金を科し、精神的損害賠償を求める方針だと述べた。通知は15日の午後、送付されたが、期限が切れた17日15時現在も運営は続けられている。
市は99Motoが提供するモトイクタクシーの安全性や法的問題に対する懸念を強調しており、市内の各地区で取り締まりを実施。16日午前中には9台のバイクを押収した。
同市長は、サンパウロ市の国際関係局が中国総領事とコンタクトをとり、同社が市の法令や裁判所の決定に違反していることへの懸念を伝えたことにも触れ、「バイクに乗る人々の安全リスクが大きい上、中国企業が法的秩序を無視し、裁判所の決定を踏みにじることにも懸念を抱いている」と語った。
一方、99は連邦法に基づき合法的にサービスを提供していると主張し、引き続き運営を続ける意向を示している。同社によれば、サービス開始初日の14日には約1万件、翌日にはそれ以上の数のサービスを提供したという。また、サービス提供エリアは市中心部以外の地域に限定しており、混雑した市街地での安全性を確保し、事故リスクを抑えていると強調している。「市民の交通手段を拡充し、公共交通機関との統合を進める重要な手段となっている」とも主張した。
市側は、連邦法第11A条を引用し、99が連邦法に基づいて運営しているという主張に反論。地方自治体には規制や監視の権限があることも強調した。市条例ではモトタクシーサービスの提供を禁止しており、裁判所もこれを支持する判断を下している。
99Motoサービスの運行に関する法的争いは今後も続く見通しで、市側は引き続き条例を順守させるための取り組みを進める意向だ。サンパウロ市側は、市民の安全を守り、法的秩序を維持するため、厳格に対応していく方針を示している。