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GRU空港殺害事件=警察が組織的に殺害関与か=軍警上司が実行犯を送り迎え

2025年1月21日

PCC告発者の処刑に使われた車の運転手を務めた疑いのある中尉を逮捕と報じる18日付ジョーヴェン・パンサイトの記事の一部
PCC告発者の処刑に使われた車の運転手を務めた疑いのある中尉を逮捕と報じる18日付ジョーヴェン・パンサイトの記事の一部

 【既報関連】昨年11月8日に起きたグアルーリョス国際空港での企業家殺害事件で、部下である実行犯2人を現場に運び、事件後に逃走させた車を運転していたと見られる軍警上司を、18日に市警が逮捕したと同日付G1サイトなど(1)(2)(3)が報じた。
 空港で殺害されたのは、国内最大規模の犯罪集団「州都第一コマンド(PCC)」の資金洗浄計画に関わっていたサンパウロ市在住の不動産業者のアントニオ・ヴィニシウス・グリッツバック氏(38歳)だ。同氏は21年12月に起きたPCC関係者殺害事件の殺害命令者として被告となった後、検察との司法取引でPCC関係者に関する内部情報を提供。PCCによる殺害や起訴を免れるための金を求めた市警の不正も告発していた。
 同件の捜査はPCCと不正を告発された警官の双方が関与した可能性を念頭に進められたが、事件前に軍警が犯罪者警備という違法行為を行っているとの告発を受けていた軍警監察局は16日、犯罪者警備を担当していた軍警14人と各種情報から特定された殺害実行犯の軍警1人を逮捕した。
 他方、殺害実行犯の1人で16日に逮捕されたデニス・アントニオ・マルチンス伍長らの実行犯2人を現場に連れて行き、事件後の逃走も助けた嫌疑で、オザスコ市軍警第42大隊戦術部隊所属でマルチンス容疑者の上司のフェルナンド・ジェナウロ・ダ・シルヴァ中尉(33歳)を、殺害事件捜査担当の市警は18日に逮捕した。逮捕のきっかけは、「マルチンス容疑者らを空港まで乗せた車の運転手はジェナウロという名前」という匿名通報だった。
 市警によると、事件当日のシルヴァ容疑者の携帯電話のシグナルは、同容疑者が事件の数時間前からマルチンス容疑者と共にいたことを示しており、実行犯らを乗せた黒い車が事件発生と近い時間や場所に通過したことを示すレーダーの記録も残っている。
 シルヴァ容疑者は事件当日の16時4分に電話を受けており、グリッツバック氏はその2分後に射殺された。次に電話を受けた16時21分には車を放棄し、実行犯らと分かれた。別の車がマルチンス容疑者らを乗せたとされる17時25分にも電話を受けている。放置された車は焼き払うための燃料も用意されていたが、放火はされなかった。放置現場の近くの防犯カメラには実行犯らが武器を捨てた様子なども映っており、歩き方の特徴や刺青はアントニオ容疑者特定にも使われた。
 シルヴァ容疑者は事件の3日後に携帯電話を交換。アントニオ容疑者を含む軍警15人が逮捕された16日は、6時9分にも電話を受けた後に電話を切った。通話再開は携帯電話交換後の同日15時11分だった。
 同容疑者の弁護士は「クライアントは無実で現場にも行っていない」とし、匿名通報やレーダー記録は本人を特定する証拠には不十分で、逮捕は尚早と反論。同中尉の月給は約6100レだが、昨年12月の収入は1万5800レだった。


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