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ミレイ「必要ならメルコスル離脱」=米国との自由貿易協定優先=トランプ就任で意見明確化

2025年1月24日

ミレイ大統領(Instagram)
ミレイ大統領(Instagram)

 アルゼンチンのミレイ大統領は22日、同国の米国との自由貿易協定が結ばれた場合はメルコスルを離脱する可能性を示唆した。22日付G1サイト(1)が報じている。 この発言は22日、スイスのダボスで開催中のブルームバーグ主催の国際経済フォーラムの席で飛び出したものだ。
 ミレイ大統領はそこで、「私たちは現在、米国と自由貿易協定の可能性を巡って鋭意取り組んでいるところだ」と語ったが、協定がどういう内容なのかは明らかにしていない。
 同大統領は昨年12月の時点でドナルド・トランプ氏が米国大統領に就任した暁には自由貿易協定の交渉を行うことを示唆していた。この発言の2日前にトランプ氏は大統領に就任している。
 ミレイ氏はまた、「メルコスルに籍を置きながら、自由貿易協定を模索することは可能だ。メルコスル内の関係を保ったまま、それができると信じている」と語った。
 アルゼンチンは現在、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビアと共にメルコスルに加盟している。だが、メルコスルの規定では、参加国が並行的に自由貿易協定を求めることは禁止されており、ミレイ氏の主張が認められるかには疑問が残る。ミレイ大統領自身は、「アルゼンチンが独自に自由貿易協定を求めることで、メルコスルが自由協定を求めることの支障とならないようにしたい」と語っているが、一方で、「必要ならばメルコスルを離脱することもあり得る」とも語っている。
 ミレイ氏はそもそも、メルコスルに懐疑的で、2023年12月に大統領に就任する前から、「メルコスルに縛り付けられるのは監獄のようだ」と語り、大統領就任後もしばらくはメルコスルの会議に参加せず、「離脱するのでは」と見られていた。
 だが、ミレイ氏は前言を撤回し、2024年の途中からメルコスルに積極的に参加するようになった。昨年12月にウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長とメルコスルが共同で自由貿易協定の締結を宣言した際も同席していた。このEUとメルコスルとの協定に関しては、ミレイ大統領も評価する発言を行っている。
 だが、この協定に関しては、まだ欧州各国の承認が必要とされている段階で、楽観視はできないとも言われている。それは、欧州最大の農業国であるフランスが、南米から安価な農産物が輸出されてくることを恐れ、強い難色を示していることなどが原因だ。(2)
 一方、米国でトランプ氏が大統領に復帰したことで、ミレイ氏には新たな枠組みでの経済を築きたい意向もある。ミレイ氏は元々、保守派経済学者で、2016年の大統領選で当選したトランプ氏から強い影響を受け、2019年に政界入りした経緯を持つ。


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