24年の林野火災79%増=最高裁が緊急対策を命令

24年の林野火災は前年比で79%増の3086万76760万ヘクタール(ha)に達したと発表された22日、フラヴィオ・ジノ最高裁判事が、連邦政府と法定アマゾンやパンタナルに属する州の知事に「総合的な火災管理に関する教育活動と意識啓発のための緊急計画」の提示を命じたと同日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
同判事によれば、同計画は国家総合火災管理政策(法令14944/2024号)に沿い、企業家や市民社会の幅広い参加を目指した公報活動や社会動員活動を含んだものでなければならない。計画提出が必要なのは、連邦政府と、人為的な火災が増えた法定アマゾン8州(アクレ、アマパー、アマゾナス、マラニョン、パラー、ロンドニア、ロライマ、トカンチンス)とパンタナル2州(マット・グロッソ、マット・グロッソ・ド・スル)だ。
ジノ判事が与えた期限は30日間で、期日の15日前までに、昨年発生した違法な森林火災に関連する捜査と行政処分に関する情報を更新することも求めた。
これは、24年のような火災多発が25年も繰り返されるのを防ぐための措置だ。民間部門動員は国際条約や連邦憲法第225条の規定に沿ったもので、ジノ判事はブラジルはこれらの法が定める義務に反していたと指摘。同判事は、社会主義自由党(PSOL)が提出した、汚染や生物多様性の喪失、気候変動に起因する権利侵害を評価するための基本原則不遵守請求(ADPF)743号の報告官を務めている。
MapBiomasプロジェクトが22日に発表した「火災モニター」のデータによると、昨年の焼失面積は3087万haで、前年より1360万ha(79%)増えた(22日付アジェンシア・ブラジルなど(2)(3)参照)。火災の73%は国土全体の25%を占める森林地帯の原生林で発生。牧草地焼失は670万haだった。
植生別の被害が最大だった法定アマゾンは全体の59%に及ぶ1790万haを焼失。森林焼失が牧草地の580万haを上回る680万haに達し、12月の火災は全国の88%に上ったこと、年間焼失面積が17年間で最大だったことなどは人為的な火災の増加を示す。
セラードは970万haで91%増。原生林が85%を占めたが、少雨・干ばつに伴う自然火災が中心だという。人為的な火災が増えたパンタナルは190万ha、大西洋岸森林帯は100万ha、パンパは340万ha、カアチンガは33万haだった。
州別上位はパラー730万ha、マット・グロッソ730万ha、トカンチンス270万haと続く。
MapBiomas調査員のエドゥアルド・ヴェレス氏は、エルニーニョ現象やそれに伴う干ばつなども火災増加の一因としている。
なお、22日付アジェンシア・ブラジル(4)によると、ジノ判事は21日、人為的火災が増えた法定アマゾンとパンタナルにある州と市に、森林製品排出抑制国家システム(Sinaflor)の採用と、同システムを在来植生抑制(ASV)のための許可証発行の唯一の方法とすることも命令。連邦政府に対しても、ADPF743、746、857との関連で、法定アマゾンとパンタナルでの火災予防と消火の政策の再編成を命じた。これらの手続きのための期限は60日間だ。
今年は南部や南東部、中西部で水害が発生する一方で、北東部では干ばつが継続。ペルナンブコ州では117市が緊急事態宣言中など、各地各様の対策が望まれている(22日付アジェンシア・ブラジルなど(5)(6)参照)。