BRICS=ブラジル・中国の連携強化で合意=トランプ再登場に対抗

セルソ・アモリン大統領付外交問題特別顧問は22日、中国の王毅外相と電話会談を行い、両国間およびBRICS諸国間でのパートナーシップ強化について議論し、BRICS議長国であるブラジルの指導力を支援するという中国側の意思を確認した。会談では、昨年11月の習近平国家主席のブラジル訪問を振り返り、両国間の商業関係強化が議論された。さらに、BRICS拡大の重要性や国連気候変動会議(COP30)への共同取り組みが話し合われ、持続可能で公正な世界の実現に向けた戦略的連携の強化が確認されたと、23日付フォールン誌(1)(2)などが報じた。
会談は、トランプ新政権誕生を背景に、米国が中国製品に10%の追加関税を課す方針を発表した中で行われた。アナリストらは、米国がブラジルとの貿易においても厳しい政策を取る可能性があると警告している。
中国の新華社通信によれば、王氏は、習国家主席のブラジル訪問から得られた成果を基に、「両国首脳が合意した共通目標のため、『未来を共有する中国・ブラジル共同体』として発展戦略を調整し、主要な協力分野を推進していくべきだ」と強調。アモリン氏も意見を一にしており、両国が協力し、より公正で持続可能な世界を築いていくことへの強い期待を示した。
BRICS拡大も話し合われ、特に、新たに加盟を希望する国々の参加によってBRICSの影響力と重要性が強化され、より多様で包括的な協力を促進することや、経済・政治における国際的な発言力を一層増すことが期待されている。
王氏は、今年のブラジルの主要な議題の一つであるベレンで開催されるCOP30についても支持を表明し、気候危機に対する全地球的な努力を結集する重要性を認識していると述べた。アモリン氏はまた、今年で10周年を迎える中国・中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)フォーラムの重要性を強調。ブラジルにとって、このフォーラムは中国と中南米諸国との協力を強化し、外部からの干渉なしに平等と互恵的なアジェンダを固める機会となっている。
ブラジルと中国のパートナーシップはウクライナ危機の平和的解決策を模索する中にも現れている。両国は「6項目合意」を提案し、南半球の国々を集めて外交的なアプローチで平和交渉を促進することを目指している。王氏は、両国が共同で推進する「平和の友」グループの重要性を強調。このグループは、紛争解決のために、交渉による解決を支持する国々を集めることを目的としている。アモリン氏は、このグループの役割を拡大し、対話と全地球的な安定に向けた有利な条件を作り出す絶好のタイミングであることを強調した。
ブラジルがBRICSでリーダーシップを発揮し、多岐にわたる分野で戦略的イニシアチブをとることで、ブラジルと中国のパートナーシップは、より包括的でバランスのとれたグローバル・ガバナンスを強化する柱として確固たる地位を築きつつあると同誌は報じた。