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フォーリャ紙=シジ氏が司法取引で告発=「前大統領夫人も過激派」

2025年1月28日

シジ氏がミシェレ氏とエドゥアルド氏がクーデターを支持していたと供述していたと報じる26日付CNNブラジルの記事の一部
シジ氏がミシェレ氏とエドゥアルド氏がクーデターを支持していたと供述していたと報じる26日付CNNブラジルの記事の一部

 ボルソナロ前大統領元側近のマウロ・シジ陸軍中佐が23年8月に行った司法取引での最初の供述で、前大統領夫人のミシェレ氏と三男のエドゥアルド下議(自由党・PL)は共に前大統領支持者の中でも過激派に属し、前大統領と頻繁に話し合い、クーデターを起こすよう促していたと語っていたことが明らかになり、様々な反応が起きている(25日付フォーリャ紙など(1)(2)(3)(4)参照)。
 初回供述の内容をスクープしたのは25日付フォーリャ紙だ。司法取引は23年9月にアレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事が承認しており、シジ氏はその後も10回以上連警で供述を行っている。同氏の供述などで疑問点は解明されたと考えた連警は昨年末、クーデター未遂事件の最終報告書を提出した。
 クーデター未遂事件では計画立案その他の嫌疑で前大統領ら37人が書類送検されており、内9人の名前が初回供述で出て来る。だが、ミシェレ氏とエドゥアルド氏は書類送検されていない。
 シジ氏によると、22年選挙でルーラ氏が当選した後、前大統領の周りには保守派、穏健派、過激派の三つのグループが集まった。
 保守派はボルソナロ氏を「偉大な野党指導者」に据えることを考えており、ボルソナロ氏の長男のフラヴィオ上議やブルーノ・ビアンコ総弁護庁元長官などが含まれるという。
 穏健派は「不正」には同意するが過激な介入には反対で、「選挙結果から見ると、何もできない。何かしようとすれば軍事クーデターになる」と考えていたという。同時の陸軍司令官フレイレ・ゴメス氏や元国防相パウロ・セルジオ・ノゲイラ氏はこのグループだという。
 過激派は投票での不正追及に賛同するグループと武装部隊支持派に分かれており、ヴァルデマル・ダ・コスタ・ネトPL党首や元保健相のエドゥアルド・パズエロ氏らが所属しているという。
 初回供述の一部は連警の最終報告書などで知られており、書類送検された人達は2019年からボルソナロ氏を権力の座に留めるために行動していたという。
 連警は元大統領はクーデター実行のための行動の計画や実行、統制に関与しており、22年12月15日にクーデター令に署名する予定も立てていたが、失敗したため、三権中枢施設襲撃事件の結果を見るべく、22年12月30日に国外に出たと見ている。
 26日付ヴェージャ誌サイトなど(5)(6)(7)初回供述の内容が漏れたことで、ボルソナロ氏の支持者達と労働者党(PT)関係者らは様々な反応を示した。
 エドゥアルド下議は、シジ氏は何度も供述内容を変えているとし、彼の発言は信頼性に欠けるという印象を与えようとしている。前大統領の弁護士は供述内容へのアクセスを阻んだ上でその内容を意図的に漏らしたと批判し、正式な書類を手にするまではコメントしない意向だ。ミシェレ氏は司法取引を嘲笑したとされており、エドゥアルド氏共々、2026年選挙へのアジェンダを維持している。
 また、過激派とされたジョウジ・セイフ上議(PL)は、自分への言及は誤りで不条理な虚偽で、適切な法的措置をとると述べたという。
 グレイシー・ホフマンPT党首は司法取引の内容は非常に深刻とし、エドゥアルド氏やミシェレ氏は被選挙権が停止されている前大統領と密接な関係を保ち、前大統領の最大の代弁者である二人が、当選直後の正副大統領候補や選挙高裁長官(全て当時)の暗殺計画に関与していないと考えるのはナンセンスで、その仮定を維持するのは困難だと語っている。
 ただし、19年4月23日付メウ・サイチ・ジュリジコサイト記事(8)によれば、法律第12.820/13号の第4条第16項は、「いかなる判決も、司法取引証言者の供述のみに基づいて言い渡されてはならない」と定めているので、シジ氏は証言を裏付ける物理的証拠を提出する必要がある。


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