サントス海底トンネル実現へ=ルーラ立会いで入札規定公示

ルーラ大統領が27日、サンパウロ州のタルシジオ知事と共に同州バイシャーダ・サンチスタを訪れ、サントス/グアルジャー間のトンネル工事の入札規定を公示した。入札は8月1日に行われると同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)(4)(5)(6)が報じた。
サントス/グアルジャー間は現在、港湾部を迂回する陸路か、フェリーでつながれている。陸路は43キロで50分かかるし、フェリーは湾内の船舶の動きや天候により20分~2時間かかる。
だが、海底下870メートルを含む全長1・5キロのトンネルができれば、5分程度(海底部分は1分半程度)で通過できる。トンネル内は軽量鉄道車両(VLT)専用車線1本を含む、各方向3車線で、歩行者や自転車も利用できる。
新経済活性化計画(PAC)の一部でもあるトンネル工事には60億レアルの投資が期待され、公聴会も終えているため、関心のある人向けの全ての情報と要件を含む入札通知公示後は、入札過程に関する文書と説明、提案提出、提案の分析と判断、入札と落札者確定、契約とサービス注文の署名の手順を踏むことになる。
サントス/グアルジャーのトンネル工事は1927年に最初のプロジェクトが発表されたが、内容の見直しや資金面の問題などで実現できずにいた。
工事自体は官民合同プロジェクト(PPP)として行われるが、昨年2月に連邦政府とサンパウロ州政府が経費を折半することなどで合意が成立。連邦会計検査院(TCU)もその内容を承認したため、入札公示となった。
両市間のフェリー利用者は7・7万人/日、車両の通行量は1日2万台で、小型船や自転車、バイクで行き来する人もいるため、トンネル完成後は15万人/日が恩恵を受けると見られている。