軍高等裁判所初の女性長官=演説では男女平等など主張

12日、軍高等裁判所長官にマリア・エリザベッチ・ロッシャ判事が就任し、フェミニズム、男女平等、民主的法治の擁護について力強い演説を行ったと同日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)が報じた。
ロッシャ判事は217年の歴史を持つ軍高等裁判所初の女性長官で、就任演説では、「私はフェミニストで、女性であることに誇りを持っている」とすると共に、ブラジルの女性は皆、男女平等を夢見ているが、ブラジルは世界で最も不平等な国の一つだと強調した。
同長官は、「あらゆる差別や抑圧を克服した社会で暮らすことは、人類の共存という文明の理想」とし、女性達が成し遂げた進歩にも関わらず、制約や社会的な窒息のない国を築くまでの道のりはまだ長いとも語った。
また、ブラジルの司法界の指導的地位に女性がもっと多く就くべきだとも主張した。「もし、女神テミスがブラジルの司法界を見たら、彼女と同類の者はほとんどいないことに気づくだろう。慎重な禿げ頭、白いあごひげ、スーツとネクタイが溢れる中で、女性的な特徴をトガ(判事らが羽織る法衣)で被っているのは数人しかいないことに気づくだろう」と強調した。
また、社会的弱者の包摂と暴力根絶も主張し、「正当性という文脈において、女性、アフリカ系、先住民、LGBTQIAP+の人々、恵まれない人々、その他の人口や階級のセグメントなど、様々な脆弱性を示す具体的な状況にある人々の参加を排除し、損なうのであれば、社会的弱者の包摂は有効とは言えない」とも語った。
新長官は2007年の国際女性デーに軍高等裁判所判事に任命され、今回も、国際女性デーに長官職に任命を受けた。
新長官は、「第2期政権だった07年の国際女性デーに私を指名し、任命して下さったルーラ大統領に感謝の意を表します」と語った後、「司法界は引き続き女性判事の任命に期待している」と続けた。ロッシャ氏が軍高等裁判所長官に任命されたのは国際女性デーの8日で、この異動で空席となる軍高等裁判所判事には女性弁護士のヴェロニカ・ステルマン氏が任命された。
ロッシャ氏は07年に軍高等裁判所初の女性判事に就任。2013~15年には暫定的に長官職も務めたが、長官職に正式任命された女性判事は初めてだ。同氏はミナス州ベロ・オリゾンテ出身で、同州カトリック大学で法学を専攻。ミナス州連邦大学で博士号も取得している。
軍高等裁判所は15人の判事によって構成されており、15人中5人は民間人だ。残る10人は軍人で、陸軍が4人、海軍と空軍が各3人となっている。