65年前に着伯した日に=ぶらじる丸同船者親睦会

1960年3月13日サントス着のぶらじる丸同船者親睦会が、まさに3月13日午前11時からサンパウロ市のブラジル群馬県人会館で行われ、15人が和気藹々と近況を語り合った。
ミナス州南部カンブイからはせ参じたイチゴなどの苗栽培を営む白浜清俊さん(熊本県、86歳)は「親睦会はほとんど参加しているよ」と笑顔を浮かべた。その隣に座っていた、イビウナ市郊外で花卉栽培を手がける白旗信さん(89歳、長野県)は「健康の秘訣は、ムリなく楽しみながら体を動かせるマレットゴルフ。30年前に始めたおかげで、今でも元気。あとは〝アルコール消毒〟をしっかりすることだね」と勢いよくコップのビールを飲みほした。参加者に配るお土産用の菊持参で参加した。
14歳で渡伯したという大河政義さん(79歳、長崎県)は、「着伯40周年を前倒しで祝おうと2000年1月16日に最初の同船者会をやりました」と振り返る。当時、大河さんは「同船会をやりたい」と提案したが、当時はパラナ州カスカベル近くに住んでおり、白浜さん、白旗さん、上妻博彦さんにお願いして開催してもらったと振り返る。それから数えて今回は12回目になる。

出航前からの写真の入ったアルバムを携えてきた真田正子さん(79歳、千葉県)はサンパウロ州ボイツーバ在住。一枚一枚の写真を説明しながら「毎回とても楽しみにしています」と懐かしそうな表情を浮かべた。
当日は、パラー州トメアスーから鈴木耕治さん(85歳、福島県)も参加し、「懐かしい顔に逢えるのを楽しみにやってきました」と述べた。同じくパラー州の上杉喜幸さん(87歳、静岡県)は「富士山のふもとの富士宮市出身だから、数えきれないくらい登頂したよ。でも今住んでるところはアマゾン川河口地域で標高35メートル。それでもパラー州では一番高いんだ」と笑い飛ばした。

会場や景品の準備をした縁の下の力持ちの松田典仁さん(87歳、群馬県出身)は22歳で渡伯した。「むかしは30~40人が集まった。今回が最後の親睦会になるかも…」と65年分の哀惜を込め、目を細めて会場を見渡した。
一行は午後2時過ぎまでゆっくりと談笑しながら旧交を温めた。