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下院=恩赦法代替法案も提案=国民投票や刑期軽減=前大統領には利点なし

2025年4月18日

リカルド・アイレス下議(Camara Dos Deputados)
リカルド・アイレス下議(Camara Dos Deputados)

 ボルソナロ前大統領支持派の下議たちが推進している1月8日三権中枢施設襲撃事件の恩赦法に関し、連邦政府と最高裁の反応を考慮した別の代替案が準備され始めている。
 自由党(PL)下院リーダーのソステネス・カヴァルカンテ下議が、恩赦法の緊急審議を求める署名が下院の過半数に達したとして、緊急議案にのせるよう要請する手続きを行ったことに関して、ウゴ・モッタ下院議長は14日「自分だけでは決められない。政党リーダーたちと話し合って決めたい」との声明をSNSで公表した。
 モッタ議長は現在、休暇で旅行中で、少なくともイースターの休暇が明ける22日までは緊急審議の対象とするか否かの審議は行われない。
 だが、その一方、モッタ議長はPLが準備している恩赦法の代替案の検討を視野に入れ始めているという。
 モッタ議長と同じ共和者(RP)所属のリカルド・アイレス下議が11日に提案した代替案では、1月8日事件の被告らに対する恩赦の是非を問う国民投票を行うことを定めている。しかも、その投票は2026年の大統領選と並行して行われるため、ボルソナロ氏が大統領選に出馬する道はおのずから絶たれる。(1)
 さらに、この法案では、襲撃者の中でも事件参加への度合いが低い被告に対してのみ、「刑期を3分の1から6分の1に減らす」とされている。この場合、対象となるのは、3月下旬に最高裁前の「正義の像」に口紅で落書きをしてアレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事から14年の実刑判決を提案された美容師のデボラ・ロドリゲス・ドス・サントス被告のような人だ。
 モラエス判事の求刑案はテロやクーデターに関するブラジルの現行法に準じたもので、資金支援者や画策者、指導者などと一般の参加者との間に懲罰上の差は設けられていない。
 代替法案では、事件への参加の度合いの低い人には刑を軽くする一方で、資金提供者や画策者などの重要な役割を果たした人物に対しては罪が重くなるように定めている。(2)
 この代替法案はダヴィ・アルコルンブレ上院議長(ウニオン)にも好都合なものだ。同議長は以前から、恩赦法は「国民が関心を示す議題とは思えない」と公言しており、議題にのせることに反対している。だが、事件参加への重要度が低い被告の懲罰軽減に関しては前向きな発言を行っていた。
 モッタ議長は政党リーダーだけでなく、アルコルンブレ議長や連邦政府関係者、さらにモラエス判事を含む最高裁判事たちも含めて、恩赦法について話し合うことを希望していると言われている。(3)
 PLが現在提案しようとしている恩赦法では、恩赦の対象が「襲撃事件の参加者」だけではなく、「2022年大統領選後の抗議活動に参加したすべての人」と幅が広い。注目されるボルソナロ前大統領をはじめクーデター計画疑惑で被告とされた人たちに関しては明確に記されていないが、解釈拡大による抜け道を作ろうとしていると、これまでも報じられている。
 様々な問題を抱えている恩赦法の審議を推し進めようとする動きについて、ジウマール・メンデス判事は「指導者たちに便宜を図るために利用したいだけ」と見ている。また、恩赦法は違憲との判断から、最高裁内には既に、議会が承認しても発効を阻止することを示唆している判事も少なからずいるという。(4)


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