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1月8日襲撃事件=スペインが容疑者送還拒否=ブラジルも送還手続きを停止

2025年4月18日

23年1月8日の三権中枢施設襲撃事件の様子(© Joedson Alves/Agencia Brasil)
23年1月8日の三権中枢施設襲撃事件の様子(© Joedson Alves/Agencia Brasil)

 スペインの裁判所が、23年1月8日に起きた三権中枢施設襲撃事件に関与したとして最高裁が逮捕令状を出したブロガーのオズワルド・エウスタキオ容疑者の強制送還を求めたブラジル政府の要請を拒否したと15日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)(4)が報じた。

エウスタキオ容疑者(Reprodução/Facebook)
エウスタキオ容疑者(Reprodução/Facebook)

 同容疑者はSNSを通じ、最高裁と議会に対する過激派の攻撃を煽っていた嫌疑で捜査対象となった後、反民主的行動に加わっていたとして逮捕令状も出た。だが、捜査の最中に欧州に逃亡した。
 ブラジル政府は最高裁の判断に基づき、同容疑者の送還を求めていたが、スペインの裁判所は14日、同容疑者は「政治的動機」で捜査対象となっており、送還できないという判決を下した。
 これを受け、三権襲撃事件の裁判で報告官を務めるアレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事は15日、スペインがブラジルに要請した身柄引き渡し手続きの一時停止を決めた。スペインが送還を求めているのは、麻薬密売容疑で同国で指名手配され、3月に逮捕されたブルガリア人男性のヴァシル・ゲオル・ギエフ・ヴァシレフ氏だ。
 送還手続きが中止されたため、ヴァシレフ氏は電子足輪装着後に釈放され、監視を受けながらの自宅軟禁となった。ブラジル・スペイン間の犯罪者引き渡し条約では、両国による合意の順守(相互主義)が求められている。
 モラエス判事は相互主義尊重が欠けているとし、ヴァシレフ氏の引き渡し手続き停止を命じると共に、ブラジル駐在スペイン大使に5日間の期限付きで説明を行うことを求めた。総弁護庁、法務省、外務省は引き続き、エウスタキオ容疑者送還を求めていく意向だ。


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