サンパウロ市ペルース=軍政時代の行方不明者2人=秘密墓地の遺骨で身元確認

【既報関連】軍事政権時代に行方不明になった男性2人の遺体がサンパウロ市北西部のペルース秘密墓地に埋葬されていたことが確認された。16日付メトロポレス(1)が報じている。
サンパウロ市北西部ペルース地区の秘密墓地で発掘された遺骨の分析によって2人の身元が判明したことは、政治的死亡と失踪に関する特別委員会(CEMDP)が発表した。身元確認はペルース秘密墓地で発見された骨の身元確認を目指すペルース・プロジェクトを通して行われた。同プロジェクトは法医学人類学・考古学センター(CAAF)が人権市民省、CEMDP、サンパウロ連邦大学、サンパウロ市と提携して進めている。
今回身元が判明したのは、グレナルド・デ・ジェズス・ダ・シルヴァ氏とデニス・カゼミロ氏の二人だ。カゼミロ氏の身元は1991年に判明したとされていたが、サンパウロ連邦大学は今回、当時の鑑定結果に誤りがあったことを認めている。
同プロジェクト技術ディレクターのサムエル・フェレイラ氏は確認方法について訊かれ、「遺骨の身元はペルース・プロジェクトに参加している34家族の遺伝子データを用いて確認された。分析作業はそのデータと遺骨の遺伝子データを比較して行われた」と説明した。
マカエー・エヴァリスト人権相は「政治的失踪者2人の身元が確認できたことは重要だ」「治安部隊など、一部に存在する権威主義に対して、連邦政府は戦い続ける」と語った。
グレナルド氏は1941年生まれで、1964年の軍事クーデター前に、海軍の権利要求を行う政治運動を行ったために海軍から追放され、5年間の実刑を宣告されていたが、後に脱獄。グアルーリョスで秘密裏に生活していたが、1972年にサンパウロ州警察によって殺害された。(2)
ペルースの秘密墓地には政治犯など、42人が埋葬された可能性があるが、身元が判明したのは6人に過ぎない。(3)