各地で教皇偲ぶ追悼ミサ=大統領や3権の長葬儀へ

【既報関連】アルゼンチン出身でブラジル贔屓でもあったフランシスコ教皇が亡くなったことを受け、ブラジルでは各地の教会が追悼の集会を持った他、連邦議会も国家元首や閣僚級の対応をすることを決めた。また、26日の葬儀には、ルーラ大統領夫妻を始め、上下両院議長や最高裁長官も参列する。 ブラジルは世界で最もカトリック信者が多い国で、福音派の信者が増えたと言われる中で行われた2021年の調査でも、人口の30・6%がカトリック教徒だと回答している。
また、フランシスコ教皇が就任後に最初に訪問した国がブラジルであることを誇りとし、当時の出来事を今も語り継いでいる人も多い。
教皇の死後行われる教皇選挙(コンクラーヴェ)に参加する資格がある80歳未満の枢機卿全135人の一人で、フランシスコ教皇が任命した108人の枢機卿の一人でもあるリオ司教区大司教のオラニ・テンペスタ枢機卿は22日、ローマに向かう飛行機に搭乗する前、「故教皇の生涯や使命と共に同教皇がリオ・デ・ジャネイロに対して持っていた愛情に感謝し、私達全てのために祈ってくださるようお願いするつもりだ」「ブラジルの枢機卿は各司教区の民やその他の地区の民、ブラジルの民を代表するだけでなく、フランシスコ教皇同様に、教会の透明性、皆が案じている貧しい人々や環境、世界の平和などに関し、神の御心がなるように祈る責任を負っている」と語った。(1)
リオ市は、教皇が来伯した2013年に開かれた第28回「世界青年の日」の会場であったこともあり、教皇を身近に感じている人が多い場所の一つで、教皇も愛した市として知られている。(2)
また、教皇が就任前に名乗っていた洗礼名ホルヘ・マリオ・ベルゴグリオをポルトガル語式に読むと同名となるという理由で、リオ市中央部にあるサンジョルジェ教会は、同名の聖人への顕彰と病気などで祈りを必要とする人のために毎年行う23日のフェスタを教皇への顕彰の場としても行うことを決めた。同教会では、早朝から多くの人が長蛇の列をなし、聖人と教皇とに祈りを捧げている。(3)(4)
故教皇への顕彰と追悼のミサは21日以降、ブラジリアの聖堂やサンパウロ市のセ大聖堂など、各地で行われており、会堂を埋め尽くすほどの信者が集まっている。(5)(6)
また、サンパウロ市では路上生活者救済活動で知られるランセロッチ神父が、教皇診療所の前で、「フランシスコ教皇はカトリック教徒だけの教皇ではなかった」との言葉で、貧しい人々のために尽くしたフランシスコ教皇の働きを顕彰した。(7)
また、下院は22日、外国の元首や大統領、閣僚、知事などの場合同様、フランシスコ教皇に弔意を表す決議を承認。(8)
ルーラ大統領夫妻やジルマ元大統領、上下両院議長、最高裁長官は、26日の教皇の葬儀に参列するため、24日夜、ブラジリアを発つ予定。今回の弔問団にはまだ、その他の閣僚や連邦議員らが加わる可能性がある。